内容説明
カルト・ヒーロー、デイヴィッド・リンチの世界を横断的に解剖する、すべての映画ファンに贈る究極のグラビア・ストーリー・ブック。
目次
映画『エレファント・マン』ができるまで
デイヴィッド・リンチの映画空間
デイヴィッド・リンチ年譜
暴力/セックス
フィルム・ノワール
夢
オズの魔法使
路上
工場/機械
顔
音楽
リンチとデミングはくすんだ黒い闇を好む―『ロスト・ハイウェイ』撮影記
絵画/写真
変身/分身
カーテン/幕
覗き見趣味
映画
メイキング『デューン 砂の惑星』
女/女優
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
d0g_ville
6
リンチのつくる映画は純粋な意味での謎解き映画ではない。それは論理にもとづいた数学的な謎では決してなく、ゴルディアスの結び目のような謎である。もちろん、一致した解釈はある程度まで可能であるが、それでもなおそこには「残滓的なもの」が常に既に措定されている。当然リンチはこのことに自覚的だ。この残滓的な謎の存在論について彼はこう述べる。「僕は謎が好きだ。…謎がほとんど解かれてしまうと僕はがっかりする。だから謎はある程度まで解かれても、何パーセントかは謎のまま残されてほしい。そうすれば夢を見続けていられる。」2014/10/19