出版社内容情報
家族、住宅、建築デザイン、都市計画、都市景観の現在をめぐり、建築家・隈研吾が縦横無尽に語りつくす。また、気鋭の建築家、藤本荘介、乾久美子、塚本由晴との本書のために行なわれた対談も収録。隈研吾の思考と仕事の作法を通し、建築の現在と未来が見えてくる。
目次
ゆれながら建築を考える
はずしとずらし
建築の鍵
「青空カラオケ」を歌おう
構造と表層―そこに近代建築の偽りはなかったか
ポスト地政学の趣都論―ストリート/建築への眼差し
変移する現代住居の諸相をめぐって―所有、ライフスタイル、パラサイト…
家族を容れるハコ―シングルの住居
より過激に、より身軽なほうへ―日本の住宅デザインを考える
痛くないもの
リアリティとしての集合住宅
景観の現在―グローバリゼーションのなかでの変容
ブルーノ・タウト―日向邸から海を臨む
著者等紹介
隈研吾[クマケンゴ]
1954年神奈川県横浜市生れ。建築家。東京大学建築学科大学院修了。1985‐86年コロンビア大学建築・都市計画学科客員研究員/Asian Cultural Council給費研究員を経て、1990年隈研吾建築都市設計事務所設立。2001年より慶應義塾大学工学部教授。建築家としての旺盛な活動を続けるかたわら、アイロニーに満ちた建築批評の書き手として挑発的な住宅論・建築論を発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yoyoyon29
1
*建築家の遺産や資本の強大さを自覚しつつ、地域のアイデンティティ、共存、見づらいものを見ようとすることを、素材という具体的な方法で実現していけるのが強さ。 ・前川、坂倉など槇さん以前の建築家は東京のスマートなエリートだったが、原や伊東は信州、安藤は大阪、磯崎は九州など建築が周縁的なもののエネルギーの発露になっていった。自分は、東京―本当は横浜―でしかないという絶望感。海外に行くと、自分のローカリティを感じられ、東京コンプレックス、根なし草コンプレックスから解放される。 2018/10/25