出版社内容情報
*あのミッキーがプロレタリアであったこと、知ってますか?!
気鋭の評論家の平井玄が、渾身の力を籠めて発表する、老若男女のプロレタリア諸君への赤誠のメッセージです。
今現在、浦安あたりでウロウロしているミッキー君や上海にまで上陸したミッキー君は、ずいぶんと肥満してダンスのステップが緩慢かつ覚束ないものになっていますが、その昔、初代のミッキーマウスはガリガリに痩せていたものだ。知っていますか?
溌剌として凶暴、めまぐるしく動き回り、壊して回り、その純粋なヤンチャ振りはじつに爽快でありました。何しろ黒いネズミだったし。
そのハチャメチャな活力に、アメリカの下層労働者(もちろん黒人を含む)=プロレタリアの姿を見抜いた人が、ベンヤミンその人でありました。それから幾星相、先進諸国の労働者はすっかりデブになってしまい、飽食消費する胃袋になってしまった、ように見える。
しかし、お立会い、見る目、見る立場を変えてみると、この日本社会にも初代のミッキーマウスがうごめいているのが分かるだろう。そう、著者の半生を辿りながら、その活きのいいミッキーの姿を見つけられるだろう。
ニートでもなく、フリーターでもなく、下流階層でもなく、ハローワークを蹴っ飛ばす、プロレタリが隣にいるのだ。いや、君がプロレタリアなのだ。。
この本の帯はこう宣言している。
「ネズミだちよ、自分の欲望をやつらに渡すな。世界を底から食い破れ。「支配されざる者」の笑いと、そして自由を」
赤い本だ。中身も赤い。赤いネズミの本だ。
友として欲しい!
内容説明
ネズミたちよ、自分の欲望をやつらに渡すな。世界を底から喰い破れ。「支配されざる者」の笑いと、そして自由を。階級社会の正体をあばき、「フリーター問題」の根源に迫る、最もラディカルなテキスト。
目次
1 二一世紀のネズミども(狂ったミッキーマウス;一九七二年三月二二日 ほか)
2 東京ミッキーマウス工場(街路は復権するか;路上のエクリチュール ほか)
3 亡霊的プロレタリア(工場のゴースト;問題系をひっくりかえす ほか)
エピローグ ネズミたちの歌(美しい音楽;アルバート・アイラー ほか)
著者等紹介
平井玄[ヒライゲン]
1952年東京生まれ。音楽・思想・社会等幅広い領域を独自の視角で論じる。早稲田大学文学部抹籍。80年代、先鋭な音楽批評誌『同時代音楽』に関わり、ジャズを中心とする音楽のプロデュースや様々な社会運動に携わる。92年には、パレスチナから音楽グループを招聘し、コンサートを催した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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