コンクリート・アイランド

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  • サイズ B6判/ページ数 261p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784872337723
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

ロンドンをドライブしていた男が車のパンクで投げ出されたコンクリートの島。閉ざされた島から男は脱出できるのか? テクノロジイ3部作第2作。山形浩生による解説を収録。NW-SF社81年刊「コンクリートの島」改題。

内容説明

閉ざされた三角地帯から男は脱出できるのか?あの『クラッシュ』と三部作をなす、幻の邦訳がついによみがえる!山形浩生による、17000字に及ぶ解説「J.G.バラード:欲望の磁場」を収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

62
町山智弘氏が映画『ハイライズ』の関連しているという理由でゴダール監督の『ウィークエンド』を解説している中でこの本を紹介されていたので読みました。交通事故で高速道路下の島に落ちてしまった上流階級の男。ところが車が多く、通るのに誰も男を助けずに走り去る。都市の象徴でもある高速道路でロビンソー・クルーソー状態になる男の様子は現実離れしているようでリアルだ。そして元上流階級出身だが孤島でのサバイバーの一人で上流階級にいた彼を糾弾するジェーンは都市と現代人が作り上げた秩序による孤独に目を開いた共産主義者のよう。2016/10/05

GaGa

16
新訳にて再読。バラードのテクノロジー三部作の一つ。大都会の高速道路が入り混じる場所で、事故により道路網の小島に放り出された男が遭難する様を描いた作品。私の内的宇宙を描いたものとすれば「クラッシュ」「ハイ・ライズ」に比べるとはるかに読みやすく、理解しやすいが、主人公が置かれている状況が現代社会の縮図であるというメッセージも直球すぎて、前述の二作にくらべ工夫は足りない。しかし、とにかく読み物としての面白さはあるのでページをめくらせる。バラードは凄いなあ。2010/07/08

**くま**

11
スティーヴン・キングのおすすめ本。この作家さん初。SF作家さんらしいですが・・・映画「クラッシュ」「太陽の帝国」原作などで有名らしいですが・・・、私にはこれは文学に思えました。現代文学でこういうのよくあるよね、みたいな。私は文学音痴なのでよくわからないのですが、都会の孤独的テーマなのでしょうか? リッチな建築家の男が事故で高速道路網の中の島?に迷い込んでしまい、若い女性と頭の弱い男という二人組とともにホームレスのような生活をする話です。読みやすいですが残念ながら文学が苦手な私はいまいち楽しめませんでした。2014/10/02

スターライト

8
バラードが70年代に発表した〈テクノロジー〉三部作の二作目。前作『クラッシュ』では自動車事故とそれに性的な意味を感じ取る人々の様子が描かれたが、本作では高速道路で事故に遭い、その下の小島に転落した男が主人公。最初彼は重傷を負った体を引きずりながら何とか頭上の高速道路へたどり着き脱出を図ろうとするが、人々は誰一人助けることなく、やがて主人公はこの島で暮らす知能障害を持った元サーカス団員の老人と、若くて魅力的だがなぜか主人公の脱出を阻む女性と奇妙な「生活」を送るうち、主人公はその島から出たくなくなってしまう。2011/07/17

roughfractus02

4
古来主人公が帰還しない物語は悲劇と呼ばれた。が、情報が人から機械に、声から文字に変わると帰還する必要がなくなり、情報が電子化されて世界をネットワークすると外世界も縮小する。そして脱出の物語が現れる。本書の主人公は『ロビンソン・クルーソー』より『砂の女』の世界にいる。確かに孤独、飢餓、怪我に苛まれ、自らの精神異常を疑う彼はロビンソンのようだ。が、浮浪者と娼婦はそんな古典的物語には属していない。すると、主人公はそこに今まで住んでいた秩序空間と違う何かを感じる。2人は彼に、戻ることはもう問題ではない、と教える。2020/11/01

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