内容説明
「否定的なもの」こそは「現実的なもの」である。デカルト、カント、ヘーゲルの哲学をラカン精神分析の否定性の視点から徹底的に形式化するとともに、著者自身が直面した東欧における政治的経験を、明晰なナショナリズム、イデオロギー分析として提示する。
目次
第1部 コギト―主体と呼ばれる空虚(「考える私あるいは彼あるいはそれ「モノ」」;コギトと性的差異)
第2部 ゆえに―弁証法的誤謬推理(根源的「悪」と関連する事柄;イデオロギーの理論としてのヘーゲルの「本質の論理」)
第3部 われあり―享楽のループ(「おまえを傷つけたその槍だけが、その傷を癒すことができる」;汝のネーションを汝自身として享楽せよ!)