内容説明
「神様がもし、野暮なことを言うようだったら、娘たちよ。私たちは新しい神を造ろう」。その生涯を恋と芸術に捧げた流行画家・夢二の恋愛論。待望の集大成。
目次
抒情詩
恋愛論
旅中備忘録
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
69
恋愛論というタイトルですが、雑文集という感じでした。何処か詩情が漂うのは、生涯を恋と芸術に捧げたからでしょう。美しい文章で語られる恋愛は、夢二の恋多き人生を物語っているようでした。併録の『旅中忘備録』では旅先で感じたことが書かれています。旅から感じ取ることが多いのはやはり芸術家として受け止めたことがあるからでしょう。竹久夢二の感受性を余すところなく感じられる1冊でした。2015/09/28
里
1
抒情詩、恋愛論、旅行記から竹久夢二の感性に触れられる本。恋愛論に関しては時代的なこともあって正直受け入れられない表現が多いように感じられたが、季節の風景や女性の仕草の描写は画家ならではの繊細さで美しかった。弁天様に朝詣でする「白猫のような女性」の神秘的なエピソードと、旅行先の外国でテニスボールをなくした少女と会話する物語が幻想的で好き。2019/09/03