内容説明
かつて山が人々とともにあった時代―峠は交通の要衝として栄え、人・物・文化の伝播において大きな役割を果たした。今なお心豊かに峠に住み続ける古老たちの素朴な語りに、日本の近代と今が浮かび上がる。
目次
山伏峠・室畑―瀬戸際におかれた金鉱夫たちのふる里
八草峠・金居原―生業なき山里の未来を占う峠の“再生”
京柱峠・西峰―平家の末裔たちが山を下りる日
ぶどう峠・白岩―新しい血を迎える村の手強い因習
八十里峠・叶津―読めないゼンマイの里の二十一世紀
二井宿峠・二井宿―義民の伝統をうけ継ぐ在郷の村の子孫たち
釣瓶落峠・真名子―ブナの森の向こうに夢を託す過疎の山里
石榑峠・石榑南―過疎と開発の間で揺れる“働き蜂”たちの良心
小峰峠・黒渕―泰然自若の里人と静かな環境異変
大多和峠・跡津―隠れ里との交流を育んだ宙ぶらりんの村〔ほか〕