内容説明
北欧のスウェーデンは世界のどの国よりも早く高齢化を経験しながら、わが国とは対照的に動揺した経験はなく、生活の落ち着きが見られる。問題の全てが解消したわけではないとしても、冷静を保つ国民の様子とその背景となっている対応がなぜ可能かについて触れることにしたのが本書である。
目次
1章 老後不安の少ない超高齢社会
2章 生活の安定をもたらした社会基盤
3章 施設を廃止、そして在宅へ
4章 定年と人生の新スタート
5章 公的主義での保障と政治・行政
6章 将来への課題
著者等紹介
竹崎孜[タケサキツトム]
1936年、台北生まれ。ストックホルム大学大学院法学部(国際法専攻)修了。外務省専門調査員(在スウェーデン日本大使館)、ストックホルム大学客員教授、鹿児島経済大学教授、埼玉大学教授を経て、現在、常磐大学大学院教授
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感想・レビュー
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かわうそ
21
福祉の大国であるスウェーデンはいかなる方法で超高齢社会を乗り切っているのか?そもそも歴史を紐解けば、この国でも「姥捨山」はあったらしい。他にも公認乞食とか人をセリにかけるとか。今では考えられないことが行われていた。しかし国民が大衆運動を通じ、責任を持って国を変えてきた。未来を見据え、どうすれば安心した暮らしができるのか、みんなで考えてきた。投票率が毎回80%を超えるということからも政策への関心の高さが伺える。税金は高い。しかし効能が高ければ良い。学生ですらこの姿勢。日本は多分、40年くらいは遅れている。2015/11/01
Takao
1
2004年7月10日発行(初版)。この著者の「スウェーデン…」シリーズはすでに何冊か読んでいるが、本書の存在を知り、1年ほど前に求めた。もちろんタイトルのような問いに一言で答えるのは難しい。142ページに国、県、コミューンの予算のグラフがあるが、福祉、医療、教育などでほとんどを占めており、「公共事業」の項目のないことに気づいた。2021/07/13