感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
forest rise field
17
古本屋にて。幕末雄藩といえば薩長土肥といわれるが、肥前佐賀藩についてはよく知らなかったので勉強になった。藩主鍋島直正(閑叟)公は愛に溢れ先見性が高い名君。藩財政を建て直し、必要なものにはしっかり投資する。それが教育であり、軍備であった。 直正公は日本を外圧から守るという目的だったが、戊辰などの内戦は本意ではなかったという。もっと知られるべき人物であり、理想のリーダーだと思う。2021/09/11
スプリント
8
島津斉彬と並び開明的な君主として有名な鍋島閑叟。 明治になりすぐに亡くなってしまったのが惜しまれる人物です。2019/08/18
きさらぎ
5
幕末に18歳で藩主の座に着き、藩政改革を成し遂げ、明治4年に58歳で没する直正公を描く本編は、終章に現代に残る史跡や行事を現代っ子が訪ねる話を入れ、佐賀の観光スポットや歴史イベントを案内。番外編として娘の貢姫との手紙のやりとりにスポットを当て、娘から見た父親としての直正公を描き、巻末に佐賀藩の近代化と、七賢人の紹介文を載せる。全体に明るく朗らかで勉強家、家族・家臣思いで国思いの直正像で貫かれていて爽やかすぎるほどに爽やか。特に目新しさはないが楽しく読んだ。神陽ファンとしては八賢人にして欲しかったな(笑)2018/06/02
古谷任三郎
4
佐賀藩藩主・鍋島直正の生涯を漫画にしたものであるが、巻末には解説もある。鍋島直正の強力なリーダーシップのもと、「佐賀藩は、積極的に西洋情報を取り入れるとともに、医学・科学技術力・軍事力の点で幕府や諸藩に大きく差をつけて、幕末期に絶大なプレゼンスをもつこととなった」(P.199)。日本初の鉄製大砲鋳造と日本初の実用蒸気船建造を成し、日本の産業革命を佐賀で行った鍋島直正は幕末日本における最高の指導者である。功績はそれだけに及ばず、北海道開拓にも島義勇と共に貢献した。2022/03/20
ビシャカナ
4
鍋島直正というと佐賀の近代化を主導したということは知っていたが、これほどまでに先見性を持って、実地的に行っていたとは思わなかった。積極的に中央政治に関わらなかったために結果的に日和見主義とも呼ばれるのを見ると、薩長は政治力もあったのだと思う。直正のみならず佐賀藩の制度、偉人たちも知れたのは良かった。直正の人柄や総括的なまとめなも盛り込むなど、この手の本では類を見ない熱を入れようを感じる。2018/11/25