内容説明
訳者生活37年、SFやミステリー、サスペンスなどの小説から『アンネの日記』まで、手がけた訳書は200冊以上。そのたびごとに異なる人物を演じてきた翻訳者が、翻訳という仕事、読書の楽しみ、そして日常生活について語る、待望の初エッセイ集。巻末に翻訳者を志す人たちのための「フカマチ式翻訳実践講座」を開設。
目次
1 私の翻訳作法(翻訳者はセンスと想像力で勝負する;虚実皮膜のあいだで ほか)
2 仕事机から離れて(川のある町々;思い出のメルヘン『ニルスのふしぎな旅』 ほか)
3 こんな本を訳したり読んだり(永遠の名探偵;ベイカー街で朝食を ほか)
フカマチ式翻訳実践講座(私の翻訳テクニック;たぬきでいこう ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
romance_holic
4
海外の作品を日本語で紹介してくださっている翻訳者というお仕事が語られています。翻訳者になりたいという人、翻訳の裏側をちょっとだけ覗きたいという人、翻訳者の方の読まれている作品などに興味がある人向け。 私自身は大好きなロマンス本を読者として作品を楽しんむ際には気にしたこともなかった細かな点まで留意されて作業されているんだなと気付かされ、今後は違った目線も加わるかも。翻訳例なども併記されていて、改めて翻訳でずいぶん作品から受ける印象は違うものだと実感しました☆ 2009/02/08
ぺぺらって
4
深町眞理子さんという名前、絶対どこかでたくさん聞いた、見たことがある。でも、どの作品か思い出せない。本著は、彼女が色々なところで書いた文が寄せ集められたもの。一つ一つ文体が違って統一感がないのが、訳者=役者として表舞台に出るのを嫌う作者の思惑のように感じた。2011/06/15
若黎
3
図書館本2023/09/12
ゆーかり
3
なぜか途中で長らく放置していたものを読了。ミステリーなどの翻訳者深町さんのエッセイ。本や新聞雑誌、文庫の解説などを集めたもので、1編は短いものも多い。翻訳者に必要なのは語学力だけでなく、日本語力、様々な知識、想像力、謙虚さなど。英語の正しい解釈は勿論、それをいかに美しく正しい日本語で、過不足なく表現するかも重要。訳者は役者というのも面白い。原作の文体なども考えて訳しているとの事。大変だと思うけれどそうであって欲しい。自負とプロ意識の高い深町さん、例の“超訳”が翻訳とは似て非なる代物というのにもにんまり。2014/11/22
ワッピー
2
過去にもなんども翻訳書を読んでいるのに、まるで知らなかったフカマチワールド。翻訳者には外国語の実力に加えて、母国語の美意識も必要というのは本当に納得。2011/12/10