出版社内容情報
「ただ、星を見るのが好き」そんな天文初心者に向けた、美しい理科エッセイ。
蟲文庫『苔をあるく』『亀のひみつ』につづく理科エッセイシリーズ第3弾。
内容説明
星を眺めようとすると、暗いところへ、暗いところへ、意識が向く。「ただ、星を見るのが好き」な、天文初心者のための理科エッセイ。カラーイラストと美しい天体写真が満載!
目次
第1章 秋のころ(オリオン;恒星と惑星 ほか)
第2章 冬のころ(うちの天文台;すばる ほか)
第3章 春のころ(季節がわり;北極星 ほか)
第4章 夏のころ(さそり座;わたしの星 ほか)
著者等紹介
田中美穂[タナカミホ]
1972年岡山県倉敷市生まれ。同市内の古本屋「蟲文庫」店主(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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ぶんこ
41
倉敷の古書店主である著者が星々を語る。時々出てくるイラストが可愛くて分かり易い。都会育ちの馴染みの星といったら北斗七星、オリオン、カシオペアでしょうか。北斗七星とオリオンは間違いようがないのですが、なんとスバルが出てきた時に「えっ、なんでWになってないの?」と思ってしまった。思わず「星、スバル、形」と検索してしまいました。恥ずかしい。このおかげで、今はバッチリスバルを見つけられるでしょう。北極星が一年中位置が変わらないので、海での道標になっていると知る事が出来たのも嬉しいです。面白かった。2019/07/15
kochi
28
倉敷は美観地区の古書店蟲文庫店主の、「苔」、「亀」に続く自然科学エッセイ。自宅の物干しに本格的な望遠鏡を備え付けているけれども、どちらかというと、夜の散歩の折に季節を感じながら星を見るという、インドア派^_^ 星座早見盤の見方から、彗星と流星の違いなど、初心者にも優しい解説の合間に、コーヒーを飲んだ帰りの蛍と星の見事なコラボレーションへの感動などが記されているので、知識も学べるエッセイで、ハレー彗星が時代劇に登場したことまでわかる!(おそらく「暴れん坊将軍」のことかと)2018/08/01
onasu
21
倉敷、蟲文庫の田中美穂さんによる星空の紹介は、エッセイあり、ヤマネコのイラストによる星の基礎知識もあり。 「いつものもの」がふとしたことで違って見え、そこから新しい世界が広がっていくのは、人生の楽しみでも最上のひとつとあり、そのきっかけは、ちょっとした知識とも。 自分も小説をきっかけに、樹木の平易な本を読み、街路樹にちょっとでも興味を寄せられるようになったところで、ここには同感。 注文をつけるなら、巻頭の星野写真はオリオン座が辿れる、おそらくぼかしを入れた好画像なのに、他がそうでもないのが残念。2017/10/30
aloha0307
20
星座盤片手に星空を毎晩みてた幼いころを思い出したよ ああ、いい読書だった。波照間島での竜骨座カノープス、NZでのケンタウルスetc 旅の思い出は星空観測の思い出に重なる。おひさま をはじめ、お月さま、惑星、たくさんの星座達...己の人生のつっかえ棒であることは間違いない。人間ってなんてちっちゃいんだ...2017/10/21
おおた
17
引っ越したら一等星はほぼ見える環境になったところで、ちょうど本書を読了。一等星て21個(個?)しかないなんて知りませんでした。実は小学校低学年は天文少年で家から見られる天の川をぼうっと見ている子供だったので、先祖返り感もありつつこの本を手がかりに星を楽しむ生活にしたいなと。収集とはちょっとちがうんだけど、「自分の星」という考え方など、生活の中で星を意識的に見るというコンセプトがすごくいい。苔も同様で、見ようと思わないと見られないものはたくさんあるけど気づきにくい。そういうことに気づかされる一冊でした。2017/07/15