内容説明
河井継之助研究の第一人者、河井継之助記念館前館長、稲川明雄(2019年逝去)が描く、先進的な視野と抜群のリーダーシップで藩政改革を断行し、それを見事に成し遂げた不世出の改革者、越後長岡藩藩士・河井継之助の波乱の生涯を描く!!
目次
プロローグ 何故、河井継之助は改革者になったのか
第1章 人となり
第2章 江戸へ遊学
第3章 再度の江戸遊学と西国遊歴の旅へ
第4章 郡奉行
第5章 町奉行
第6章 戊辰戦争
著者等紹介
稲川明雄[イナガワアキオ]
河井継之助記念館前館長。1944年生まれ。長岡市立互尊文庫司書、長岡市史編さん室長、長岡市立中央図書館館長を歴任したあと、河井継之助記念館館長に就任。在任中の2019年12月12日に逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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まーくん
82
公開中の映画『峠』に合わせての出版とすれば絶好のタイミング。著者稲川さんは河井継之助記念館前館長。残念ながら本書校了前にお亡くなりになられた。映画は勿論、司馬遼太郎さんの小説『峠』が原作だが、継之助の前半生、江戸遊学、藩政改革者としての活躍はすっ飛ばして、官軍方との小千谷談判決裂から始まる北越戊辰戦争が舞台でした。本書は子供時代から、殿の目に留まり藩政改革の責任者となった”知られざる改革者”の仕事も丁寧に書かれている。当時、越後長岡藩は、先代先々代藩主が老中職を務め、出費がかさみ藩財政は破綻に瀕していた。2022/07/05
Y2K☮
31
長岡藩の財政を立て直した河井継之助の生涯。西郷隆盛や吉田松陰と同じく陽明学を行動指針とし、山田方谷に学び、質実剛健な風土の裏で長年続いた癒着体質と不条理な慣習を改める。開明的な思想を持ちながら新政府軍と戦ったのは、のちの頭山満にも見られる安易に勝ち馬に乗ることを潔しとしない姿勢の表れと感じた。もし小千谷談判で相手方の責任者が勝海舟みたいな話のわかるひとだったら戦は起こらず、継之助は維新後も生き延びて貿易業に精を出したかもしれない。その姿を想像すると坂本龍馬と同じくらい惜しい。司馬遼太郎「峠」も読もうかな。2023/05/02
k.inoue
2
河合継之助記念館長だった稲川明雄2022作。幕末長岡藩家老として藩の財政立て直しに尽力、同時に薩長との戦いで町を灰燼に帰した責任者、それにしても下級藩士の子息が学問に秀でてたことにより藩の重役に登用される時代でもあった。2022/08/30
Hiroyuki Asano
1
「義と利の片方が欠けてもいけない」2023/09/30