出版社内容情報
武満徹以後もっとも重要な日本人作曲家として国際的に評価される著者が、その半生と作品、音楽、宗教等について語った初めての書。現代日本を代表する作曲家、細川俊夫が
自身の創造と思索の軌跡を語った「対話による自伝」。
「もしかすると作曲するとは、
響きの強度だけでなく、
沈黙の強度をも深めるような
一つの行為を成し遂げることかもしれません」
──細川俊夫
武満徹以後もっとも重要な日本人作曲家として国際的に評価され、
欧米の主要オーケストラ、音楽祭、オペラ劇場などから次々と委嘱を受ける細川俊夫が、
その半生、作品、音楽、宗教、自然について縦横に語った初めての書。
年譜、作品目録、ディスコグラフィのほか作品スコア、写真多数掲載。
第一章 広島
第二章 東京、一九七一年
第三章 ベルリン
第四章 フライブルク
第五章 東京、一九八五年──種子(シーズ)
第六章 歌
第七章 秋吉台-武生
第八章 旅(ヴォヤージュ)──ドイツ-日本
第九章 庭-花
第一〇章 風-波-海(オーシャン)-雲
第一一章 レクイエム
第一二章 雲と光
第一三章 ムジークテアーター
第一四章 東京-ベルリン
第一五章 誕生
細川俊夫「大地の深みより──音楽と自然──」
A・ラッヘンマンによるインタヴュー「不安は大きいのです……──地震、津波、そして原子力発電所事故──」
細川 俊夫[ホソカワ トシオ]
1955年、広島に生まれる。1976年にドイツへ留学。ベルリン芸術大学でユン・イサン尹伊桑に、フライブルク音楽大学でクラウス・フーバーに作曲を師事。1980年、ダルムシュタット国際現代音楽夏期講習会で作品を発表して以来、ヨーロッパと日本を中心に作曲活動を展開。日本を代表する作曲家として、欧米の主要なオーケストラ、音楽祭、オペラ劇場などから次々と委嘱を受け、国際的に高い評価を得ている。とくに、平田オリザの原作と演出により2016年1月にハンブルク州立歌劇場で初演されたオペラ《海、静かな海》は、大きな注目を集めた。旺盛な作曲活動のかたわら、現代音楽の紹介と若い作曲家の育成にも力を注いでおり、1989年から10年にわたり秋吉台国際20世紀音楽セミナー&フェスティヴァルを主宰した後、2003年からは武生国際音楽祭の音楽監督、2007年からは現代音楽の演奏会シリーズHiroshima Happy New Earの音楽監督を務めている。著書に『魂のランドスケープ』(岩波書店)がある。東京交響楽団、ベルリン・ドイツ交響楽団、西ドイツ放送局合唱団、ネーデルラント・フィルハーモニー管弦楽団のコンポーザ…
ヴァルター?ヴォルフガング・シュパーラー[ヴァルター ヴォルフガング シュパーラー]
1953年、ドイツのマインツに生まれる。ベルリンにて、カール・ダールハウスの下で音楽学を修めた後、尹伊桑のアシスタントを務めながら彼の作品を研究。論文集『作曲家尹伊桑』(Der Komponist Isang Yun, edition text + kritik)の共同編集にも携わった。尹の没後、1996年に国際尹伊桑協会(Internationale Isang Yun Gesellschaft e.V.)をベルリンに設立。尹の作品のCDシリーズや尹研究の年報を刊行し、彼の作品を紹介する演奏会などを企画している。尹伊桑や細川俊夫の音楽をはじめ、現代音楽に関する数多くの論文がある。
柿木 伸之[カキギ ノブユキ]
1970年、鹿児島市に生まれる。上智大学文学部哲学科助手を経て、現在広島市立大学国際学部准教授。専門分野は20世紀ドイツの哲学および美学。著書に『ベンヤミンの言語哲学──翻訳としての言語、想起からの歴史』(平凡社)、『パット?ギトッテシマッタ後の世界へ──ヒロシマを想起する思考』(インパクト出版会)などがある。共訳書は、T.W.アドルノ『自律への教育』(中央公論新社)など。音楽関係の著述もあり、ひろしまオペラ・音楽推進委員会主催公演の作品解説などを執筆している。
感想・レビュー
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忽那惟次郎8世