感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
to boy
22
化学肥料を使わずに植物の本来持っている力で野菜を育てようとする著者。理想的な姿ですが、いざ実践しようとすると手間暇がかかり大変だと思う。畑の雑草も単なる悪役ではなく生える利用があり、利用の仕方もあるとの事。スギナやホトケノザなどの雑草にも長所があるとは初めて知りました。雑草マルチは少しやったことがありますが、もっと活用していきたいと思った。混植の良さは理解できるが、実践は難しいと思った。2023/05/09
そり
19
自然に添う形で60%の収穫を慈しむ、という文を草生栽培の本で見て、手間をかけない代わりにそれぐらいならよいかなと思ったものだった。しかし、実際そうできるようになるまでに、天敵による個体数のコントロールは充分というほど望めない。放っておくと60%すら夢だ。特に自家採種を重ねていない適応が弱い種では。ただ、それとは別に嫌われものの虫にも自然における役割があると、この本で教えられた。たとえば、アブラムシの役割は間引きと摘心。それを人の手で先んじて行うことで、彼らの仕事を無くしてしまうことが肝要なのだそうだ。2018/05/17
セヱマ
4
著者定義の無肥料栽培を、自然界の役割から思考するもので、マニュアル的でなく、観察眼と頭で想像することを推奨する新しい栽培本。 団粒構造はプラスの元素とマイナスの粘土の集まり、雑草は最強の在来種、アブラムシの役割は摘心など、わかりやすいのと同時に、言い回しに自然に対する尊敬と、味がある。 面白い。理論と経験を柔軟に活かすことが大切と教えられた。2019/03/25
kamekichi29
3
無肥料での栽培するための参考になる本。肥料、農薬を使わなくてよくなる理由が参考になる。自分でも実際にやってみながらやるとよくわかるような気がする。今はただ読んでるだけなのでなかなか身につかない。2022/08/13
里のフクロウ
3
自然農法の指南書である。だが本書の姿勢は、マニュアル本を避けようとする点で風変わりである。自然の摂理を洞察し、そこにあるべき姿を見出して、次いで方法論を考えることを推奨する。本書では、自然の摂理の基本を論じることを主題とし、技術については、自ら考えることとしている。説明されている摂理は実に説得力がある。科学の知見によっていることにもあるが、それ以上に作物生長生理の「なぜ」を解き明かそうとする態度にある。なぜ生長し、なぜ生長しないのかの解を摂理に求める。持続的農業を考える上でも貴重な見解を示してくれている。2018/02/25