内容説明
幕末。開国か、尊王攘夷か、大きく揺れる日本。この未曽有の困難を「表の政事(老中)」と「奥の政事(大奥)」の両輪で見事に乗り越えていく。
目次
プロローグ
第1章 江戸城炎上
第2章 大御所の堕落
第3章 お美代の陰謀
第4章 天保の改革
第5章 お琴への密命
第6章 欧米からの外圧
第7章 激動の予兆
第8章 嘉永は急流から激流へ
第9章 砲艦には知力で勝つ
第10章 安政の大動乱
第11章 江戸は生と死の炎
エピローグ
著者等紹介
穂高健一[ホダカケンイチ]
広島県・大崎上島町出身、中央大学・経済学部卒業。日本ペンクラブ(会報委員)、日本文藝家協会、日本山岳会、日本写真協会の各会員。地上文学賞『千本杉』(家の光社)、いさり火文学賞『潮流』(北海道新聞社)など八つの受賞歴がある。ジャンルは純文学、推理小説、歴史小説である。朝日カルチャーセンター、読売・日本テレビ文化センター、目黒学園カルチャースクールなどで「文学賞を目ざす小説講座」「知られざる幕末史」「フォト・エッセイ教室」「エッセイ教室」などの講師を務める。「幕末芸州広島藩研究会」で二か月に一度の講座を持つ。広島県および首都圏の講演活動は約三か月に一度。RCC(中国放送)にたびたび生出演(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kawa
27
新聞連載時に読了、備忘記録として。幕末、大奥の上臈・姉小路を主人公に「『表の政事(老中)』『奥の政事(大奥)』の両輪で国難に立ち向かうさまを通して、新たな幕末史観」(書籍紹介文から)を描く。この手の作品を読んで思うところは、彼女らが維新後どのように生きたかだ。その辺にポイントが当たる作品はないものかなあ。2024/01/10
na*rico
0
非常に面白かったです。大奥のトップとして、裏から表の政治を支えている姉小路を通して描かれた幕末。いかに幕末史が薩長主体で都合よく塗り替えられてきたのかが暴露された内容とも言えて、色々考えさせられました。少ない史料からの考察に脱帽。通説が覆されることを今後強く願います。2024/01/14