内容説明
平安と今をつなぐ和歌×短歌。
目次
岡井隆×天智天皇―一四〇〇年後の御製
岡井隆×持統天皇―思いは推移して
岡井隆×柿本人麻呂―ながき一夜
岡井隆×山辺赤人―妻よぶ富士
高島裕×猿丸大夫―もの悲しさを連ねて
高島裕×中納言家持―天空をゆく異国の鳥
高島裕×安倍仲麻呂―望郷の痛みと運命の果てに
高島裕×喜撰法師―知的ゆとり
佐伯裕子×小野小町―移ろうものの嘆きこそ
佐伯裕子×蝉丸―二度とは会えない場所〔ほか〕
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
69
百人一首をベースに、現代歌人の新訳短歌が楽しめた一冊でした。歌に対するエピソードを歌人本人が書いているので、どのような気持ちで詠んだかが等身大で伝わってきます。百人一首の歌人の境遇から詠んだり、本歌取りしたり、様々な短歌の世界を味わうことができました。現代歌人は皆はじめましての歌人さんたちでしたが、胸がズッキュンくる歌もあったりして面白かったです。こういうところから和歌に入るのもいいですね。2015/05/04
ピロ麻呂
37
百人一首を現代歌人がアレンジしてるんだけど、意味を合わせてるもの、音の響きを合わせてるもの、返歌になってるもの、本歌取り のもの、色々あっておもしろい(^^)お気に入りは山田航さん「瀬を早み…」を「ぼくらまた 逢えるはずだよ ほら岩に われた早瀬が 戻っていくよ」2017/10/27
しゅてふぁん
13
元が百人一首でも、現代の歌人が歌うとかなり感じが変わるというか、斬新だった。言葉の意味がわかるだけに不思議な感じがした。改めて古歌の日本語は美しいなと思った。トップバッターが入院ネタって…(笑)他の歌も自由すぎるのにびっくりした。こんなに自由に歌っていいのかと和歌を身近に感じることができた。2016/01/18
太田青磁
11
すれ違う人に二度とは会えぬ街、東京に生きて人とはぐれぬ・みかの原みたこともないひとを恋ういつまでもいつまでも泉川・遠のけばきれいなきみの首すじに半月の刃の落つるをゆめむ・雲海を潜りつつなほ旅客機は航路をゆくかゆかぬとて、さて・船旅のデッキでひとり吸ふ煙草燃ゆる思ひをあなたは知らず・銃身にもたれて眠る夜は来る月射すきみの鎖骨思へば・チャラいってほんとなんですかと聞いてみたいなエレベーターの箱の中・ゆくへなく除染土積まれふぶく雪よはげしかれとは祈らぬものを・地球永久に戦火は消えよ流星の消えてなほ暗き闇を仰ぎぬ2015/04/15
はち
9
今最も話題の一冊ではないだろうか。岡井隆や馬場あき子からまさに新鋭の望月裕二郎までが現代風に詠む百人一首。いきなり入院風景を詠んだ岡井隆に爆笑するわけだが。百人一首から入るのもよし、好きな歌人から入るのもよし、そしてここからそれぞれの歌集に向かうのもよし。2015/03/02
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