出版社内容情報
鉄鉱石、水、そしてじゃがいも（！？）からトースターを作る！ 材料の調達から組み立てまでオール手作業！ これぞ「物作り」！
まえがき
内容説明
掘る！削る！砕く！溶かす！材料の調達から加工・組み立てまで全部自分でやっちゃいました！愛すべき若者が「手作りの限界」に挑む。
目次
第１章 解体
第２章 鉄
第３章 マイカ
第４章 プラスチック
第５章 銅
第６章 ニッケル
第７章 組み立て
エピローグ 「ハロージャパン！」
著者等紹介
トウェイツ，トーマス［トウェイツ，トーマス］［Ｔｈｗａｉｔｅｓ，Ｔｈｏｍａｓ］
デザイナー。２００９年にロイヤル・カレッジ・オブ・アート（王立芸術大学）大学院を卒業。科学、テクノロジーの分野に強い興味を持っており、そうした本人の趣向が反映されたユニークなプロジェクトを発表し続けている
村井理子［ムライリコ］
京都外国語大学英米語学科卒（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
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pino
193
ゼロからトースターを作るという発想と行動力が凄い。モデルのトースターを分解することから始まるけど、こんなに多くの部品を調達するなんて、ホ、ホントに出来るの？鉱山に出向き、原料を採掘し、どう考えってもムリだろうというモノは、なんだかんだで代替している。やっと、生成？するまで漕ぎつけたのに結構、無謀なことをやっている。その過程が淡々と語られているのが面白い。この試みから得た著者の文化、流通、資源への考えに頷く。オブジェみたいなトースター好き。でも、これ、パンを焼く前だったのか。デモをやった結果は？そうだよねぇ2013/03/05
Kawai Hideki
129
芸術大学の学生が、トースターを「ゼロから」作り上げるプロジェクトのお話。どのくらい「ゼロから」かというと、鉄やマイカは鉱山で掘り出すところから。プラスチックは原油を調達しようとして門前払いをくらい、ジャガイモから植物性プラスチックを作るところから。銅線は銅山で銅が溶け出した水を電気分解するところから。ニクロム線はロシアの「閉鎖都市」を目指しかねないところから。文才があって、面白いことは面白いし、資本主義やエコロジーに対する洞察につながるのだけれど、トースターに対する愛が感じられなかったのが残念。2016/04/25
Miyoshi Hirotaka
104
私達は工業製品の森羅万象にいる。平凡なトースターでも部品数は400を超え、さらにそれらは膨大な量の燃料と材料の結晶で、文明の進歩と技術の蓄積の成果だ。トースターをゼロから作る試みは私達がどれだけお互いに依存しているかということを痛感させる。技術の発展で製品のコストが下落し、多くの人がそれを手にできれば豊かになる。しかし、一方で値札に現れないコストもある。製造過程で出る廃棄物や環境の汚染がそれだ。これは、貨幣経済ではカウントされず、私達はそれを払う必要はないことになっているが、未来永劫そうとは限らない。2015/06/08
夜長月🌙
70
ゼロからトースターを「組み立てた」のではないのです。鉄鉱石を山から取ってきて鉄に精練する所からです。プラスチックカバーも銅線も自分で作ります。果たしてトースターはできあがるのか？よくタイムスリップもので過去に行った未来人が知識を生かして人類を救うというのがありますが私が仮に江戸時代に言ったとして何ができるでしょう。現代でこそ薬のプロですが江戸時代の設備で一から薬を作ることなど全くできません。無力な自分に気づきます。誰か江戸時代に行っても工業製品や化学製品を作れる人っていますかね？2018/11/02
鱒子
66
図書館本。笑った、楽しかった、感動した！ 大学院の学位発表会のために、鉱物採取などを敢行しゼロからトースターを作った9ヶ月の記録。他人に依存せずに文明の利器を手に入れる困難、値札からは見えないコストなど実際の問題点と共に、環境に対する考えも含まれている本書。フレッシュな情熱を感じる良い本でした。2018/09/05
