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静山社文庫
「日本人」という病―これからを生きるために

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  • サイズ 文庫判/ページ数 265p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784863890091
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0111

出版社内容情報

生きることがたいへんな時代に、自ら「日本人病」を発症したと語る臨床心理学者が手をさしのべる! これからを生きるすべての人に!

内容説明

ゆれる心、迷う心、悩む心、苦しむ心、病む心…数限りない人の心と深く向きあってきた不世出の臨床心理学者・河合隼雄が、さまざまな問題をかかえ、たいへんな時間を迎えている日本人に、これからを生きるための指針を語る。自らを「“日本人”という病を背負う私」と言い、日本人病との自分自身の葛藤が明かされる。また、「友情とエロス」「恋愛・結婚・内なる異性との出会い」などなど、人生を左右することがらに答える。

目次

第1章 日本人を生きる(「日本人」という病を背負う私;心的「震災後の復興体験」)
第2章 性を生きる(友情とエロス―人のつながり;恋愛、結婚、内なる異性との出会い)
第3章 自分を生きる(自分の中の「もう一人の自分」;自我と無我―「個」を支えるもの)
第4章 死を生きる(日本人が持つ宗教性;神話の知―生と死を深める)

著者等紹介

河合隼雄[カワイハヤオ]
1928年、兵庫県に生まれる。臨床心理学者。1952年、京都大学理学部を卒業。京都大学教育学博士。1965年、スイスのユング研究所にて日本人ではじめてユング派分析家の資格を取得。日本におけるユング分析心理学を確立した。京都大学教授、国際日本文化研究センター所長、文化庁長官を歴任。2007年7月、逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

トントン

20
日本人気質に対する批判的内容を想像したが,それには控えめで拍子抜け。が,その著者のスタンスが賢明であることを読後に納得できる一冊だった。「心の傷は,人間関係があるところで表現されるから治ってゆく」に激しく同意。心理学者は簡単に「分かった,いいんだよ」などと慰めないものだ。「劣等感なんて一生付きまとうもので,それを掘り下げ掘り下げして自分を鍛えていく」という意見に勇気をもらえた。死を,一人称(私)・二人称(君)・三人称(誰か)で分けて捉えることや,「普遍」と「私」の概念のバランスを説明した終章は為になった 2022/03/14

うりぼう

18
著者は、講演の際に原稿を用意しない。その場の雰囲気で話の内容を決めていく。まさにライブの達人。かめおかゆみこさんもワークショップで内容を決めず、参加者の心身の状態と場の力でワークを動かす。2人に共通することは、個と場の把握力が異常に高く、相手を信頼し任せることができる。また、その場の関係の中から、最も必要なことが自然に言葉として、ワークとして生まれることを知っている。内田樹のいうコミュニケーションを一対多で実現する。内容の前振りで次数が尽きた。日本人の生、性、自分、死を優しく見つめる。震災後の今、読む本。2011/10/15

兵士O

10
この本の著者の河合隼雄さんは、ジブリの映画「ゲド戦記」の監督の宮崎吾朗さんと映画の番宣の小冊子「ゲドを読む」で対談していますが、その内容を読んで僕が河合さんに対して思ったのは、面と向かって作品の否定をしない人だな、ということでした。物事を白か黒かで判断する人を僕は身の周りで何人か知っていますが、確かに言った時はすっきりするのでしょうが、そういう人はあるイデオロギーないし偏見を盲信していたりとかしていて、この本で書いているような曖昧さゆえの知恵とかが全くないような気がします。僕を受容するような読後感でした。2019/08/06

だてこ

9
前半はあまり入り込めなかったが、後半の「自分を生きる」と「死を生きる」はとても面白かった。西洋は物事を切り分けて考えるのに対し、東洋は融合して考える。自然科学は「私」という存在抜きに語られる。「私」について知りたいなら、私の物語を自分自身で考えていくしかない。2022/03/12

ささの葉

9
河合先生の著書には、いつも知的刺激を受ける。個人主義をエゴイズムと同様だと、いつまでも捉え続けていることが日本の精神性が発達しない、むしろ幼稚化している根源ではないだろうか。また、「自然科学の知」と「神話の知」の両方を持つべきという点も興味深い。阪神大震災時の復興についても書かれているが、当時となんら日本の意識や状況が変化していないのも考えさせられる。つくづく、日本はもっと精神的に成熟すべき。大人になるべきではないのか。2011/06/18

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