in our time

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 61p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784863322462
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

ヘミングウェイの珠玉の短編が柴田元幸の新訳で甦る!
知られざるヘミングウェイの超短編集「in our time」が柴田元幸訳で刊行!
有名作「われらの時代」の短編と短編の間に配置された、戦争や闘牛などの一場面を印象的にスケッチした超短編のみを集めた作品集。

唖然とするほどの潔さに貫かれたその文章。余計な装飾はいっさい加えまい、読点一つでも余分に打つまい、という強い意志が一行一行から感じられる。十九世紀後半、マーク・トウェインによって打ち立てられた、いわば「言文一致」のアメリカ英語が、ここに至ってさらに先鋭化され、書き言葉をいっさい排した書き言葉とも言うべき、緊張感みなぎる文章が生み出されている。(訳者解説より)

担当編集者からのおすすめコメント!
1924年にわずか170部で刊行されたヘミングウェイの短篇集が、柴田元幸さんによって初めて翻訳されました。無駄を削ぎ落としたセンテンス、ひりひりとした緊張感漂う作品の数々…読んでいると居住まいを正される、そんな1冊です。著者の原点、そしてすべてがこの1冊に凝縮されているといっても過言ではありません。

内容説明

作家、ヘミングウェイの原点。珠玉の短編集。

著者等紹介

ヘミングウェイ,アーネスト[ヘミングウェイ,アーネスト][Hemingway,Ernest]
1899年アメリカ合衆国イリノイ州生まれ。地方紙の記者を経て、1918年に赤十字の一員として第一次世界大戦下のヨーロッパに渡るも、北イタリア戦線で重傷を負い1919年に帰国。翌年カナダ紙の記者となり、1921年に特派員として渡仏、1928年までパリに暮らした。帰国後はフロリダ州キーウェストに拠点を置きながら、内戦下のスペイン、ケニア、キューバなどに滞在し、多数の作品を執筆した。1954年にノーベル文学賞受賞。1961年没

柴田元幸[シバタモトユキ]
現代英米文学翻訳者。季刊文芸誌「モンキービジネス」責任編集(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パフちゃん@かのん変更

66
ヘミングウェイは有名だが『老人と海』しか読んだことがなかった。これは『われらの時代』という彼の代表作で各章の冒頭に1ページ前後の小品が配されている。その小品だけを集めた作品集がこの本。無駄のない短い文章。殆どが血なまぐさい殺戮に関わる描写が淡々となされている。2015/10/24

らぱん

43
「In Our Time=われらの時代」の各章に挟み込まれた18の掌編で全部で60頁ほどに納まる短い物語たちはスパッと切れ味がいい。唐突に始まり唐突に終わる。物語は不連続で、章は数字のみでタイトルすら無い。ブラックな小咄もあり、シーンを切り取ったスケッチもある。即物的な描写に徹している文章は返って映像的で、余計な情報が無いだけに想像が膨らむ。闘牛に関する話は数編あり著者の偏愛ぶりが思われ、優れているように感じた。中でも第12章の馬から始まって牛で終わる話が秀でている。躍動感が爽快だった。2019/04/18

Y2K☮

31
闘牛や戦争、恋愛、死刑執行など重大な局面を鋭利に抉った18のスケッチ。一見どうでもいいような場面もあるが、そういう章における刹那の毒の効きがむしろ強烈。綾辻行人のデビュー作を思い出そう。一行で十分なのだ。なお題が小文字である理由は巻末で柴田氏が述べている。確かに短編に昇格したのをいくつか読んだ記憶がある。改めて小説の肝は文体だ。留意すべきは何を書くかよりも何を書かないか。引き算の名人として誰もが脳裏に思い浮かべる著者の作品をじっくり嗜める領域へようやく片脚を踏み入れた。短編集「われらの時代」でまた会おう。2020/11/05

ミツ

23
『老人と海』以来、久々のヘミングウェイ。短編集『われらの時代』収録の短編の合間に挟まれた18の超短編を柴田元幸の手によって訳されたものを収録。無駄な修飾を一切排した、簡潔で洗練された、いわゆるヘミングウェイ文体によって切り取られる戦争や闘牛、処刑を巡るワンシーンの数々。それらはどんな意味も語らず、ただ空虚な血と、死と、生が映し出されているだけである。しかしその突き放された世界だからこそ、書かれなかったこと、言葉にならなかった感情や時代の空気がより一層際立ってくるのだ。シンプルで美しい作品集。2015/01/30

マリリン

22
61㌻の中に18作品が書かれている。簡潔な文章...ヘミングウェイを好きな理由のひとつがわかった。他の作品でも書かれていたが、闘牛は好きなのかなと思った。病院・刑務所等美しい背景ではないが、この時代を生きたヘミングウェイが見つめてきた風景が、その感性を通じてストレートに伝わってくる。 特に印象に残ったのは第2章、最後に出てきた若手のマタドールが繰り広げた死闘。第14章のビリャルタと雄牛の戦いのシーンがよい。 第13章の一本結びの髪を切り落とされた闘牛士が、酔っぱらって言葉をつぶやいたシーンも好き。2020/01/31

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/585630
  • ご注意事項