内容説明
こんな風景があったなんて!いつも目にしていたのに、消えてしまうと思い出せない。そうやって失われた記憶を、残された写真でめぐる。消滅の瀬戸際にある場所、危機から回復した場所なども紹介。
目次
1 アフリカ(川の流れを変えた世紀のダム事業―ナイル川;砂漠の真ん中に生き残った木―テネレの木 ほか)
2 ユーラシア西部(乾燥地帯の巨大湖―アラル海;ユニコーンのモデルが駆ける砂漠―アラビアオリックス保護区 ほか)
3 ユーラシア東部(再生したマングローブ林―カンザーのマングローブ林;水と緑が織りなす秘境の絶景―九寨溝 ほか)
4 アメリカ・オセアニア・南極(たった四日間で消滅した大河―スリムズ川;ダム湖に眠る美しい渓谷―ヘッチヘッチー渓谷 ほか)
著者等紹介
吉田正人[ヨシダマサヒト]
1956年、千葉県生まれ。筑波大学大学院教授。公益財団法人日本自然保護協会専務理事。千葉大学卒業後、日本自然保護協会研究員として世界遺産条約批准促進にたずさわる。現在、小笠原諸島世界自然遺産科学委員会委員、富士山世界文化遺産学術委員会委員を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kinkin
123
世界から失われてしまった、あるいは消失の瀬戸際にある「自然や生物」の姿を写真でめぐる。(本書より)読み進みにつれて切ない気持ちでいっぱいになってきた。マダガスカルの焼き畑やスマトラ島の揮発で森林がどんどん消えゆく姿や人の手が入ってで水のなくなってしまった湖他、オランウータンやサイ、フラミンゴ動物たちも行き場を失ってゆく。一方では絶滅から再生したバイソンやベトナムのマングローブもあるのが少しだけ救い。コロナ禍で使用済みのマスクが海に漂いサンゴにひっかかっている写真を今日ネットで見た。どうなる地球・・図書館本2021/03/10
ゆみきーにゃ
87
《図書館》地球温暖化が様々な形で影響を及ぼしている。消滅前、消滅後の比較写真が載っているのでわかりやすい。2020/09/08
けんとまん1007
76
消滅遺産に続いて読んだ。自然の在り様は、それこそ自然に変わっていくものだと思う。しかし、それすら人間の営みの影響があるということ。それ以外に、人間のエゴ、無関心、無知からくるものも多いことを再認識した。なぜなんだろう・・と、何度も考えてしまう。2020/12/03
ベーグルグル (感想、本登録のみ)
59
失われた、または危機的な自然や生き物を紹介している。昔と今の対比の写真、説明があるので分かり易い。地球の温暖化、灌漑事業、密漁、森林伐採など原因は色々だが、結局は人的なものが多い事に愕然とする。自然によって消滅しつつあるものは、復元や保全すれば人工的なものになってしまう。それが出来ない事が悔しい。環境について色々考えさせられた。絶滅したドードーを観たかったな。唯一訪れた事があるエジプトのアブシンベル神殿。移築してなければ観れなかったと思うと感慨深い思いになった。2020/11/04
HMax
38
消えてしまった世界遺産級の景色の数々。殆どのケースが環境破壊によるもの、飲酒運転が一つあるのがご愛敬。子供のころに「野生の王国」や「素晴らしい世界旅行」で見たことがある景色もいくつか。出来ることならもう一度見たい景色ベスト3:①ナクル湖のフラミンゴ、②テネレの木、③アラル海の豊漁。備考:どうして現在の写真の多くに、わざわざ茶色っぽく粗い画像処理をしているのか?2020/11/08