内容説明
世界の動静。人類の可能性。原子力の是非、テクノロジーの進化、スラム経済の勃興、エンジニアと科学者と夢想家の役割、地球工学の公算…若き日のスティーブ・ジョブズを熱狂させた伝説の雑誌ホール・アース・カタログ発行人が描く地球の「グランドデサイン」。
目次
第1章 地球の趨勢
第2章 都市型惑星
第3章 都市の約束された未来
第4章 新しい原子力
第5章 緑の遺伝子
第6章 遺伝子の夢
第7章 夢想家、科学者、エンジニア
第8章 すべてはガーデンの手入れしだい
第9章 手づくりの地球
著者等紹介
ブランド,スチュアート[ブランド,スチュアート][Brand,Stewart]
編集者。未来学者。1938年、アメリカ・イリノイ州生まれ。スタンフォード大学で、生物学を学ぶ。1968年に雑誌『ホール・アース・カタログ』を創刊。同誌は全米150万部のベストセラーとなり、カウンター・カルチャーのバイブルになった。また、WELL(Whole Earth ‘Lectronic Link)、グローバル・ビジネス・ネットワーク、ロング・ナウ・ファウンデーションなどのエコ関連団体を立ち上げ、環境保護論者の大物としても知られる
仙名紀[センナオサム]
翻訳家。1936年、東京生まれ。上智大学新聞学科卒。朝日新聞社では、主として出版局で雑誌編集に携わった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kei
5
* 小学校の時にこういう本よく読んでいたと思った。 * すべてはガーデンの手入れ次第。 * 管理次第。 * 無作為に環境を壊してきてしまっていて、さまざまなものが絶滅しているが、 * 似非科学などを信じず、ファクトチェックをして、良いものを判断する・本質を見極められるようにしたいと思った。2022/07/10
人生ゴルディアス
4
左派の大聖堂ホール・アース・カタログの発行人が、理詰めの果てに原発推進派になった結果記した本、という記述を見かけて読んでみたが、それは明らかに言いすぎな感じだった。また、原発推進については、ほかに手段がないから仕方なく…という感じではなく、いつもの西海岸らしい技術崇拝でした。とはいえ現在主流の軽水炉が技術的に優れているから選ばれているわけではない等、一度原発についても調べたいと思う。なお本書内に「この先原発で大きな事故があれば、それが業界にとどめを刺すだろう」とあって、その通りになっています。2021/03/26
Hideo Tsubaki
4
衝撃的だった。たまたま手に取っただけの本が何年も抱いていた疑問に答えてくれた。科学は真理と進歩を第一義としているのではないか。ではなぜ、最先端科学が非難され続けるのか。環境への影響を軸に原子力発電・遺伝子組み替え・都市化といったものを、豊富な資料を基に理論立てて説明されている。さらに現在取り組まれている活動や科学技術に関しても説明している。参考資料にまで目を通したくなるような素晴らしい作品だった。引き続き調査してみたい。2011/12/18
カエル子
3
『自然って何だろうか』からの抜粋1冊目。日本語訳出版はタイミングが悪すぎたとしか言いようがないが、10年以上経って“原子力発電に絡む4つの問題は「デザイン」が握っている”なる記述があることに驚きを隠せない。都市も原子力も遺伝子工学も「グリーン」で「クリーン」で人類が地球温暖化に対峙するための強力な武器になり得る。と、本書にかんたんに影響を受けてしまうのもアレですが、「主張は変えて良いし、手に入る情報やデータにより変わって然るべき」と考えるのが妥当で、著者のメッセージも実はここにある気がした。2022/05/01
はやたろう
3
10年以上前の著。地球環境の行く末を様々な視点から分析。地球温暖化でどうなったのか、どのような対策があるかを論じている。その中で地球工学という分野での方策は、二酸化炭素を大きく減らすことはできないが、日射量を削減して気温上昇を抑え込むなど、興味深い。それから10年大っぴらには何もされていないのか。そうした最終手段を持っているのは心強いが、思惑通りに成功するのか、取り返しのつかない事態になるのか。また、原子力エネルギーを期待するトーンで書かれているが、福島があって大きく変わっているのは間違いない。2022/05/12