内容説明
学歴、師、流派に一切、寄りかからず、独学独歩で人生を駆け抜けた男は料理のみならず書画、陶芸等に大きな足跡を残した稀有の日本文化の保護者であった。にもかかわらず、奇人・変人、唯我独尊・傲岸不遜というイメージが故意に流布される。だが、対象に曇りなき目で真摯に接するとき自ずと巨人の実像が見えてくる。強烈な個性、人間味豊な魅力溢れる人物の再評価を促す。
目次
序章 放題―「わしの悪口を言いたい奴には言いたい放題に言わせておけばいい」
第1章 独学―「素寒貧の出発だったから思い切り頑張るしかなかった。後は無我夢中だよ」
第2章 書道―「書は人だ。人間が出来ていなければいくら書いても無駄なことだ」
第3章 食客―「わしは学校もよう出とらんかったで、すべて自分で学んだ。そのため厳しい修行を積んだものだ」
第4章 独立―「暮らしの目途が立った時は、そりゃあ嬉しかった。一人前の有り難さだよ」
第5章 栄華―「自分でも驚いたんだが、人生の頂点とはこんなものか、とね」
第6章 驕慢―「回りを見回すと上には何も見えない。みんな下にいるように見えてしまって、なあ」
終章 孤高―「考えてみればわしを本当に理解してくれた者はあまりおらんかったなあ」
著者等紹介
長浜功[ナガハマイサオ]
1941年北海道生まれ。北海道大学教育学部、同大学院修士、博士課程(教育社会学専攻)を経て東京学芸大学教授。2007年定年退職。以後「学芸評論」に専念(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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