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やめたくてもやめられない―依存症の時代

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  • サイズ 新書判/ページ数 187p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784862481795
  • NDC分類 493.155
  • Cコード C0247

内容説明

薬物が個人の行為のドーピング剤として認識されるようになりつつある社会状況を皮肉を込めて評した言葉に「サイキック・ビル」がある。フランスの社会学者アラン・エレンブルグの命名である。これほど現代を象徴する言葉はない。消費社会における肥大化した欲望を抱え、薬物の力を借りてでも自己愛的イメージを人工的な手段によって回避しようとすれば、必然的に依存症を背負いこむことになる。依存症の根底に潜む願望や幻想を生みだした現代社会の構造を精神科医が具体的に分析する。

目次

第1章 やめたくてもやめられない―依存症の現状(なぜ、エリートが?;好奇心から依存症に ほか)
第2章 みんなちょっとだけ依存症(リタリン乱用;覚醒剤代わりのリタリン ほか)
第3章 なぜ依存症は増えたのか?(「完全な薬」という神話;規範からの解放 ほか)
第4章 依存症の時代をいかに生き抜くか?(依存症に有効な処方箋はあるのか?;「薬神話」への疑問 ほか)

著者等紹介

片田珠美[カタダタマミ]
1961年広島県生まれ。大阪大学医学部卒業、京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。京都大学博士(人間・環境学)。専門は精神医学、精神分析。フランス政府給費留学生としてパリ第八大学でラカン派の精神分析を学びDEA(専門研究課程修了証書)取得。精神科医として臨床に携わりつつ、精神分析的視点から精神疾患の構造について研究。現在、神戸親和女子大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

カッパ

22
うつ病のひととも考え方が共感できるなと長年思っていた。悩んでることは違いながらも。依存症のほうが逃げてるぶん治りが遅い理由も自分の中でしっくりときた。私が依存症だからです。自分できめられる社会。で、ありながら自分が他人からどうみられるかには無知でいられる社会。当然のようにおかしくなる人がいる。そらに対する対策に対してはまだ抽象的なのが残念ではあった。自分で考えてみたい。2017/12/20

kinkin

15
この本では主にドラッグ、アルコール、向精神薬の依存について。依存症の現状、依存症が増えた背景、依存症をどう克服するか書かれている。 依存症の治療は、本人の断薬、断酒への強い意志が何よりも必要であり、 治すのは自分自身であること。薬がすべてを解決してくれるのではないかという過剰な期待が「心地よい依存」を増やしてはいないかなどの記述を 興味深く読むことができた。2014/02/20

Humbaba

6
根管治療ができれば最適なのだが、それはなかなかうまく行くときばかりではない。また、そもそもそのような時間を取れないことのほうが多い。そのため、機械的にクスリを処方するというケースが散見される。薬の効果である程度症状は和らげられても、しっかりと診断しなければ依存を生むことになりかねない。2016/07/21

Asakura Arata

3
片意地はらず、身の丈で生きることが大切。自分自身の目標にしている。2023/02/11

Tomitakeya

2
副タイトルが依存症の時代、とある。本文から一部引用すると、片方の手に自己実現というバイブル、もう一方の手に、消費社会における肥大化した欲望を抱えた我々に、常に満たされない不全感と渇望が影のようについてまわるからこそ、依存症はこれほどまで増え、「時代の病」になったのである。誰もが否応なしに依存症の罠に絡め取られる可能性があるのだ。あきらめない時代の副産物と言える。2019/01/02

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