内容説明
生活のにおいを感じさせる商店街やレトロ感漂う古建築、和みを感じさせる喫茶店やホッと一息つきたい銭湯などが気づかぬまに次々と消えていってしまう東京。それらがなくなってしまう前に、歴史が積み重なり、なんともいわれぬ味わいを醸し出す東京の街へと繰り出そう！本所・深川・砂町・本郷・小石川・白山・根津などの下町で風情を味わい、阿佐ヶ谷・赤羽・高円寺・西荻窪の商店街や住宅地に和み、神楽坂・目白で大人の気品を満喫する―大人だからこそ楽しめる東京の街歩き指南。
目次
第１章 本所・深川・砂町―下町のモダニズム
第２章 神楽坂―最後はここで飲みたい
第３章 阿佐ヶ谷―山の手住宅と奇跡の公団住宅
第４章 目白―文化村とトキワ荘とモンパルナスの灯
第５章 赤羽―庶民のための田園都市
第６章 本郷・小石川・白山・根津―坂の上と下が織りなす世界
第７章 高円寺―昭和が積み重なる街
第８章 西荻窪―「古さ」を楽しむ街
著者等紹介
三浦展［ミウラアツシ］
１９５８年新潟県生まれ。一橋大学社会学部卒業。パルコの情報誌『アクロス』編集長、三菱総合研究所主任研究員を経て、消費・都市・文化研究シンクタンク「カルチャースタディーズ研究所」を設立。消費社会研究家、マーケティング・アナリストとして活躍（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夜の女王
21
散歩の参考に読んだ。深川・神楽坂・本郷・目白・赤羽等は散歩したので意外性が少ない。だた、１０年前の出版なので取り壊された建物も多く、写真が懐かしい。阿佐ヶ谷、高円寺、荻窪辺りは未踏。レトロな雰囲気がどんどんなくなるので、早く行かねば！場所の紹介より、その土地の歴史や文化の話が面白い。今は跡形もない洲崎パラダイスは根津の遊郭が移転したもの。要町を横切る谷端川緑道が大塚から千川に繋がってる。千石の地名が千川と小石川から来てるとか、地元に関係ある薀蓄が楽しかった。2018/11/15
ひねもすのたり
13
オッサン臭ぷんぷんの散歩本。写真も歩き回る場所も申し分ありません。 ただ初版から14年が経過している現在、掲載されているほとんどの建物が取り壊されているため実用的な散歩本とは言えません。 同潤会アパートに多くの頁が割かれていますが、見ておけばよかったと後悔したのは阿佐ヶ谷団地。わずか10年チョイで変貌する街の風景。 谷根千(谷中、根津、千駄木周辺）などという言い方は手垢のついた印象がありますが、あの地域の変わらないことの凄さに改めて気づかされました。★3.52020/04/02
ナウラガー_2012
1
慰安所は近衛文麿が一般の日本女性を占領軍から守るために発案、警視庁が計画したが、S24に解散（吉原、向島、立石、亀有、新小岩、四谷、十二社、白山、池袋、尾久、千住、五反田、渋谷、八王子、立川、調布など25か所が赤線地区として残った）した。大正半ばの全盛期には300軒もの店があったらしいが、戦時中は軍需工場の寮として接収され空襲で全焼。『洲崎ﾊﾟﾗﾀﾞｲｽ（芝木好子）』という小説もあり、日活で映画化もされた（主演・新珠三千代）。門前仲町の『魚三酒場』、森下の『山利喜』は有名。寺社は寺社奉行管轄下で、町奉行の2015/01/21
ナウラガー_2012
1
江東区・砂町銀座商店街は、安藤忠雄の双子の弟・北山孝雄（都市ｺﾝｻﾙﾀﾝﾄ業、もう一人弟、建築家・北山孝二郎もいる）が大好きな商店街。江戸の初期は湿地帯だったが農業も盛んでｶﾎﾞﾁｬやﾈｷﾞ（砂町葱）の産地でもあった。魚河岸のｺﾞﾐや魚の内臓などのｺﾞﾐを埋め立てその発酵熱を利用し野菜の促成栽培を行った。後に、内陸部の河川の浚渫や台地を削った土砂で埋め立てた。海も近く、海苔生産も盛んだった。昭和初期は、商店街の板側に火葬場があったため「焼場通り」と言われた。南には「洲崎ﾊﾟﾗﾀﾞｲｽ（赤線）」もあった2015/01/21
tsu55
1
同潤会（アパートだけでなく、同潤会普通住宅も）目白文化村など、懐かしい大正、昭和の匂いがする街が紹介されているのが嬉しい。
