MC新書
北の街にて―ある歴史家の原点

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B40判/ページ数 299p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784862480613
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0222

内容説明

多くの読者を魅了し続ける著者の学問研究の原点には、小樽での研究と思索、留学先だったドイツ生活、そして西順蔵氏との出会いと別れがあった。12年にわたる北の街での生活から、代表作『ハーメルンの笛吹き男』が生まれ、「自分の内面に深く関わる課題が学問の出発点」と語る著者の研究姿勢も生み出された。その後、著者は、世間、個人、差別と賎視などのテーマを日本の諸問題として捉え、多くの著作を通じて世に問う。本書は、その原点を、著者自らが吐露した名著である。

目次

北の街へ
小樽の四季
ヨーロッパ中世遠望
人倫の厄
寮問題から学園闘争へ
鐘の音に聞くヨーロッパ
ヨーロッパと日本
笛吹き男との出会い
ゲッティンゲンの人々
編集者たち
差別と賤視
旅の記憶
「世間」の構造
日本における「個」のあり方
学ぶということ
遍歴学生の世界
北の街との別れ
西さんとの別れ

著者等紹介

阿部謹也[アベキンヤ]
1935年東京に生まれる。1963年、一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了。小樽商科大学教授、一橋大学教授、一橋大学学長、共立女子大学学長などを歴任。一橋大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

小鈴

22
読友さんの感想でこの本を知りました。安部謹也さんの小樽商大時代の話。孤独な生活の中に小樽の風景がありありと浮かぶ。「列車の窓から見える張碓や銭函の海岸線や石狩湾の景色にはいつみてもあきない風情があった」。「ひとたび住んだ人が何処にいこうとも常にあそここそが私の故郷だという思いを抱かせる街がある。小樽はそういう街である」。列車で小樽へ帰るとき、海を横目に見ながら私もいつもこのような気持ちになった。2020/08/31

うえ

12
阿部勤也氏の小樽商大時代。本邦では稀有な忖度無き生き方をする著者は、多くの知識人と対立してしまう。道歴協会ではソ連派か中国派かを問われ、教授会ではカンニング疑惑の左派学生を糾弾するかを問われる。どちらの状況でも問う側は合理的な回答など期待していない。左右どちらの村に付くのか?だけでしかない。このような多くの経験を地道に問い直す事が、類い稀な日本人論、世間論を誕生させたのだ。他にも田中克彦の狭量な逸話や平泉澄の寛容な逸話など関心を引かれるトピックも。だが一番の読み所は多数収録された思想史家、西順蔵の手紙だ。2020/08/20

Akira Nogami

1
学問の道を歩むことに自信を失いかけたとき、何故かこの本を読みたくなります。学問を究めるとはどういうことか、西洋近代の課題など色々考えさせられます。2013/07/24

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/218010
  • ご注意事項