封印漫画大全

坂 茂樹【著】

三才ブックス（2009/10発売）

• サイズ B6判／ページ数 253p／高さ 19cm
• 商品コード 9784861990670
• NDC分類 726.1
• Cコード C0076

内容説明

さまざまな理由により、単行本が発売されない作品、単行本に収録されないエピソード、以前は収録されていたが後に削除されたエピソードなどがあった漫画を紹介し時代背景とともに解説。

目次

第１章　１９６０‐１９６９（血だるま剣法；オバケのＱ太郎　ほか）
第２章　１９７０‐１９７９（銭ゲバ；アポロの歌　ほか）
第３章　１９８０‐１９８９（キャスター；怠屈な日　ほか）
第４章　１９９０‐１９９９（代紋　ＴＡＫＥ　２；ＭＭＲ　マガジンミステリー調査班　ほか）
第５章　２０００‐２００９（エデンの花；漫歌エロチカ派　ほか）

著者等紹介

坂茂樹［サカシゲキ］
１９６９年、石川県生まれ。編集者・ライター。新聞社、出版社を経て、２００７年に勤務していた出版社が偽ＩＴ企業に買収された挙げ句に倒産。そのため２００８年よりフリーランスに（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[コットン]

1960年〜2009年までの日本の漫画で封印された作品（回）を紹介している本。 古い年代では大御所も多数いてオバケのQ太郎、ハレンチ学園、ゴルゴ13、銭ゲバ、ブラックジャック、喜劇新思想大系などが入っている。 火の鳥の羽衣編（他とは異質な筋書き）のエピソードが辛くここだけ新たに描き起こす構想があったらしいが出来ていれば方向性が異なる手塚治虫の新テーマになったかも。

2022/12/27

[厩戸皇子そっくりおじさん・寺]

私の好きな天野ミチヒロ『放送禁止映像大全』と同じレイアウト、同じ版元。当然同じ面白さも期待する。かつてはサブカル好きの教養だった「封印」だの「放送禁止」だのは、今ではコンビニ本の定番ネタにデフレ化した。なので、かつてこういう類いの本を読んだ時の様なワクワク感はあるまいと期待半減のまま読み始めた。大全ゆえに有名なネタも多いのは仕方ない。しかし知らなかったネタも多くて面白く読了。封印理由は差別や性表現、暴力表現絡みが多いが、割とつまらない理由もあったりする。なんにせよ、漫画は気楽に読みたいものだ。

2014/11/01

[阿部義彦]

ヤバイ本専門の三才ブックス発行です。類書はあるでしょうが、1960年代から（始まりは「血だるま剣法」）10年ごとの刻みで最新の2000～2009まで（涼宮ハルヒの憂鬱等）具体的に題名と発売禁止また回収などの経緯をわりと突っ込んで解説してくれます。常連の梶原一騎関係や差別や具体的抗議団体などそして原作者との確執また意外と多いのが盗作関連ですねー。後はエロ関係、またこの本では少女漫画にも深く入り込み（勉強しまっせ、X,エデンの花←「ちはやふる」の作者！）かなりの網羅感があります。満腹ですっ！よく調べたね。

2016/07/01

[MURAMASA]

わいせつ、差別表現、いわゆる「パクリ」など、様々な理由で封印されたマンガ作品を、年代順にまとめた書。同様の本は、城市郎氏の発禁本シリーズなどあるのですが、本作のおもしろさは、年代別にしてまとめたことから見えてくる、封印された理由の変遷のおもしろさです。わいせつ表現の尺度や、社会情勢に鑑みての自粛など、時代が進んでみればたいしたことはないと思えるものであったり、時代が進んだからこそ問題にされたり。表現と社会の関わりを考えるのに、手頃なガイドになる一冊だと思います。

2010/01/21

[神太郎]

なかなか面白く読ませてもらった。封印された漫画、エピソードも今では大分解禁されたモノもあれば今ではもう見れないものもある。ハルヒの漫画もそういや２つあったな～とか、世紀末リーダー伝たけしとか懐かしいモノもあった。封印されたのには色々と諸事情があるわけですが、しょうもないものもあれば時流のせいで仕方なくというものもある。表現をすることのむずかしさを感じた。ある種、表現者とそれを見る側との闘いの歴史を見ている感じでした。

2013/12/31