船に乗れ!〈2〉独奏

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  • サイズ B6判/ページ数 297p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784861766817
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

続巻待望の青春音楽小説、「光と影」のさらに色濃い第2楽章へ。

著者等紹介

藤谷治[フジタニオサム]
1963年東京都生まれ。洗足学園高校音楽科、日本大学芸術学部映画学科卒業。2003年に『アンダンテ・モッツァレラ・チーズ』(小学館)でデビュー。08年、『いつか棺桶はやってくる』(小学館)が三島由紀夫賞候補になるなど、注目を集めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

エンブレムT

142
何度か冒頭のオペラ観劇シーンに戻り、サトルの『魔笛』に対するコメントを確認してしまったよ。「なんで?どうして?どうなってるの?だらけ。で、放置されたその不満点は最高の音楽でカヴァー」うーむ、この本の目指すところはソコのような気がしてきたw・・・物語としては辛い展開をみせる巻。でも、個人的には前巻よりもずっと読みやすく引き込まれました!ただ、音楽のシーンがとても好きなので、サトルの語るやるせなさや苦悩が音楽と微妙に離れたところにあるのが本当に残念。金窪先生の再登場と、伊藤君の活躍を期待してⅢに進もうと思う。2011/07/28

ミナコ@灯れ松明の火

128
主人公の音楽に賭ける青春と順調な成長っぷりが描かれた1巻とは雰囲気が異なる、苦味の強い2巻。とっくに青春を通り過ぎた世代の私はついついあの頃を美化してノスタルジーに喜んで浸りがちではあるけれど、実際はこんな風に苦いものだったかもなあとも思う。確かに身に覚えがあるような喪失感や痛々しいほどの自己意識がリアルに描かれていた。金窪先生の授業は金八以上。きっと一生忘れない。この後どんな風に話が収束するのか、楽しみにしつつ、3巻へ!2011/11/07

しろいるか

118
重苦しい回想形式で始まるⅠを読んだ時から、不穏な空気をひしひしと感じていたけど、こんなに急転直下とは・・。サトルが高慢で自意識過剰でロマンチストな少年だったからこそ招いた結果だとも言えるけど、未熟な17歳の少年に起こった出来事がひりひりと痛い。特に金窪先生とのことは残念でならない。最後の授業、哲学もソクラテスもまるで解らない私にも胸に響いた。サトルは南さん以上に大事な人を失ったと思う。なかなか揃わないオーケストラの『プレリュード』のような不協和音。耳をふさぎたくなる。2011/09/07

れいぽ

117
まさかの急転直下。うーん。サトルにとって西ドイツへの留学は方位が悪かったのではないだろうか。←たぶん違う 大切な人を失うサトルの視点なのでそちらに同化してしまうけど、南にとっては大切な人を見つけた、とも言えるのかなぁ。でも、あの展開は唐突ですけどねー^^;金窪先生の事件もすっきりしないですね~。何ていうか、中二病的発作を起こして通り魔、的な(汗 1巻に比べると2巻のサトルは痛々しい。「音楽」という進路を選択する重圧とそれを支える土台の脆さ。17歳の不確定要素を味方にできる人なんて、いないものね。2011/02/22

ちはや@灯れ松明の火

107
風が、死んでゆく。文字通りの順風満帆だと思っていた船旅は、ねっとりと不快に纏わりつく凪の大洋で行き先を見失う。巨大魚の如き難曲に対峙し綻びる乗組員たちの自信と結束。そして不吉な暗雲を生み出したのは彼の短期留学。たった二ヶ月、そして取り戻せない二ヶ月。打ち砕かれた驕りと、消えなかった甘さ。通じ合っている、支え合っていけると思っていた彼女の焦り、僻み、妬みが引き起こした暴風雨。そして独り投げ込まれた荒波の中で彼が選択したのは、卑劣な最悪の途だった。時に競り合い時に寄り添い合って深く響く音楽は、もう聞こえない。2010/08/16

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