感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とよぽん
58
キューちゃん、とは富山県出身のジャーナリスト・作家である翁 久允(おきな きゅういん)のこと。室井滋さんの父方の親戚だったそう。子ども時代に、父親を通して翁 久允と親交のあった室井さん。世界に羽ばたいて故郷に戻り、活躍した偉大なジャーナリストに親しみを感じてもらうため、この本を制作したそうだ。キューちゃんの純粋さ、誠実さが伝わる絵本になっていると思う。長谷川義史さんの絵が、いつもながら愉快豪快明快である。日記は心の鏡と・・・。2024/02/26
anne@灯れ松明の火
16
読友さんご紹介。新着棚で。室井さんと長谷川義史さんコンビの絵本。てっきり、キューちゃんは創作上の人物だと思っていたら、大正・昭和に活躍した小説家でジャーナリスト翁久允さんのことで、室井さんの親戚だそうだ。と書いても、全く知らない人物(汗)見返しの双六を見ると、なかなかスゴイ人だとわかるが、本編で取り上げられた話は……私には面白いと言っていいのか、よくわからない。とりあえず、「日記は心の鏡」と、それを聞いて自分のために日記を書こうと思ったマリ子の気持ちはわかった。2024/03/15
ほんわか・かめ
11
室井滋さんの父方の親戚・翁久允とのエピソード。全然存じ上げませんでしたが、なかなかの経歴。(表、裏見返しに経歴紹介を兼ねた双六が。)気に食わない先生に仕返しを企て、日記につぶさに記録していたところ、その日記が見つかり仲間と共に退学処分に。それでも日記を書き続ける。日記は心の鏡だから。自分から自分へのお手紙。〈2023/北日本新聞社〉2024/04/20
遠い日
7
翁久允氏を寡聞にして存ぜず、こんな日本人がいたのか⁉︎と蒙を啓かれる思いで読みました。作者の室井滋さんのご親戚に当たる方だそうです。コスモポリタンとしてのスタンスで、故郷やその文化を大切にすることを発信し続けた草分け的存在。そのキューちゃんの若き日のエピソードを絵本に落とし込み、マリ子が触れ合ったキューちゃんのことばを温かく胸に納めたことが描かれています。2024/02/23
たくさん
3
身近な人を親しみを込めて逸話を書いて楽しくしているのは、お話としていい。その中の時代背景や倫理観などは個々の時代に対する感覚や教養によって違ったり、それが説明できない類のものになる場合も多い。客観と主観がごっちゃになるというのが特に戦時中のことを戦後の人が書く場合に多いと思う。こういう逸話のある人はとても多いだろう。それが残っている人は幸せに生きた人だけなんだろうな。2024/02/15