ブルマーはなぜ消えたのか―セクハラと心の傷の文化を問う

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  • サイズ B6判/ページ数 201p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784861101038
  • NDC分類 367.9
  • Cコード C0036

内容説明

「人の嫌がることはしない」という考えは、すっかり世に広まった。職場で、レストランで、そして家庭でも、絶対の真理のように人々を縛りつけている。そんなビクビク萎縮した今の日本が、理想の社会なのか?過剰なセクハラ規制・禁煙運動に負けず、ささやかな愉しみを享受するために、現役精神科医がおくる知的“闘争”参考書。

目次

第1部 ブルマーの消滅という出来事(なぜブルマーなのか;ブルマーの消滅)
第2部 人権・ジェンダーから辺縁へ(人権と偏見について;性同一性障害をめぐって;「辺縁」という概念)
第3部 辺縁の社会精神病理(セクハラ;タバコと禁煙運動;インフォームド・コンセント)
第4部 辺縁とこれからの社会(「傷つく」現代人と被害者帝国主義;辺縁を楽しむ社会へ―「生」の復権のために)

著者等紹介

中嶋聡[ナカジマサトシ]
1955年、京都府生まれ。1980年、東京大学医学部医学科卒業。1996年、沖縄県那覇市にて「なかまクリニック」を開業。精神科医。医学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ばりぼー

47
「男性は、私が誤解していなければ、一日の半分を女性のこと・性的なことを考えてすごす生き物である」って、それは決めつけすぎです(笑)。ただ、人権とジェンダーという二つの価値観の台頭が、弱者はたんに善悪という倫理的判断における優位者であるだけでなく、その判断の審判も兼ねるような状況、「被害者帝国主義」とでも呼ぶべき社会を生み出しているという主張には納得。昔は「時間ですよ」や「野球拳」に心を躍らせていましたが、セクハラに対して過剰反応し、規制がかかり過ぎる今の状況は「健全」とは言えないのかも知れません。2016/05/04

kenitirokikuti

8
図書館にて。本書は単なる自己セラピーであった(心情的な自慰行為といってもいい)。ブルマやレオタードみたいなぴっちり感とスポ根精神はストイックで清純で素敵である。それらは「ブルセラ」趣味みたいな卑しさと一緒であるはずがないし、してはいけない。でも、ハーフパンツは認められない。認めたくない。喪失感がひどい。……といった感じ。ブルマの歴史については『ブルマーの社会史』の引用。既読なら読む必要がない。後書きには、八木秀次や中川八洋の本を読んで、こういう語り口でもいいかと思ったてなことを。2022/02/27

抹茶ケーキ

1
自分は被害者だと言い張れば何でも言い分が通るという「被害者帝国主義」が成立していてそれが弊害を生んでいるという問題意識には共感する。けど「傷ついた」という申し立ての全てに被害者帝国主義というレッテルを貼るのはどうだろう。当然その申し立ての中にも認められるべきものと認められるべきでないものがあると思うので、その線引きを議論した方がいいのでは。あと法化に伴い「辺縁」がなくなっていると言っているけど、単に移行しただけだと思う。中心が必ず辺縁を必要とする以上、辺縁が社会から消えることはこれからも決してないと思う。2015/12/03

Seele

1
性風俗にまつわる文章を期待すると肩透かしをくらう。精神科医である著者が感じる現代社会の「性」や「人権」、「差別」観への小文集。インフォームド・コンセントの項目で、著者が治療者の立場から自己決定の問題点を挙げて「説明しない理由」を述べるくだりが興味深かった。2013/05/07

さいもん

1
論証が不十分。医者が片手間に書いてしまったからしかたないが、もっと頑張って欲しかった。

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