内容説明
ジェイは元気いっぱい。やさしい家族と大好きな友だちと、未来への夢と。ほかになにがいる?早く大きくなりたくて、しょっちゅう背をはかってもらうけれど、1センチ伸びるごとに、ママはなぜか悲しそう。大きくなるにつれて、パパもおばあちゃんもおじいちゃんも、ジェイにおかしな注意をするようになって…。アフリカ系アメリカ人の子どもたちが、ある年頃になると、かならず家族から伝えられる「してはいけないこと」。「トーク(話)」と言われるその約束を、差別と偏見による暴力からいのちを守るために、子どもたちは覚えなければなりません。こういった人種差別に気づき、声をあげることは、自分のすぐ近く、自身もその中にいるコミュニティにある差別とまっすぐに向かい合うことでもあります。逃げないで、目をそらさないで!わたしたちの問題です。2023年「コレッタ・スコット・キング賞」オナー賞受賞作品。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
46
原題「The Talk」。このような会話をする機会がなかった少年が映画「The Hate U Give」で、新米警官に射殺されます。これ、大学生の頃アフリカ系の友人が「性教育と同じぐらい当たり前だよ」と事も無げに教えてくれたことです。「集団になるときはアジア人や白人がいたほうが安全」とか。そしてアメリカだけではありません。日本でも白人系の友人は職質の経験なんか皆無なのに、彼や韓国系の友人たちは月に何度も職質されていて驚かされました。相互理解のためにも、こういう絵本は宝物です。2024/03/20
わむう
21
アフリカ系の子どもたちは、ある程度大きくなると、周りから偏見を持たれぬように家族からいくつかのルールを教わります。つるんではいけない、フードをかぶって歩いてはいけない、ポケットに手を入れてはいけない=武器を持っていると思われるから。不当なルール、偏見、差別について考えさせられる絵本です。2024/04/13
たーちゃん
18
差別とは何か、こういうことが世の中では起きているんだということの説明を最後にしながら読み終えました。2024/02/01
みさどん
16
たくさんでいるとギャング団かもと、手が見えないと武器を持っているかもと、そんな黒人ゆえの差別事象が存在することへの悲しさ厳しさを母からの警告で表現している。警官に殺された事件の記憶は新しい。私たちの周りにも海外の人はずいぶん増えてきた。偏見の目を持たないこと、これからの子どもたちには壁は薄いかも。2024/04/26
ヒラP@ehon.gohon
13
【再読】大人のための絵本2024/03/15