見えない巨人―微生物

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 263p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784860644505
  • NDC分類 465
  • Cコード C0045

出版社内容情報

系統分類できない雑多な生物の集まり「微生物」とは一体何か。答えるのが難しいその問いに対し、様々な視点から易しく語る入門書。

蒸した米を酒に、練った小麦粉をパンに変える一方、食べ物を腐らせたり、恐ろしい伝染病を起こしたりするのも微生物。そして、動植物の遺骸や人間が作りだすゴミを分解し、地球と共生しながら地球を回しているのも微生物。
では微生物とは一体どんな生き物なのだろうか?じつは答えるのが難しいこの問いに対し、本書では、「見えない」「巨大な」「多様な」という3つの形容詞を鍵にして語っていく。そして、その中でも「多様性」について、「発酵する微生物」「病気を起こす微生物」「環境の中の微生物」の3つのトピックに分けて、詳しく解説する。
文化功労者で日本学士院会員でもある著者が贈る、読みやすく、わかりやすい微生物の「新しい」教科書。

1 微生物とは何だろう?
 1-1 微生物は見えない生き物
 1-2 微生物は巨大な生き物
 1-3 微生物は多様な生き物
 1-4 微生物と人間のかかわり
2 発酵する微生物
 2-1 発酵とは何だろう?
 2-2 発酵という文化
 2-3 新しい微生物、新しい発酵
 2-4 次の世代に向かって
3 病気を起こす微生物
 3-1 歴史の中の感染症
 3-2 病原体との戦い
 3-3 新しい感染症の姿
4 環境の中の微生物
 4-1 環境を支える微生物
 4-2 共生する微生物
 4-3 集団としての微生物
 4-4 地球環境と微生物

【著者紹介】
1961年、東京大学大学院化学系研究科修了1977年、東京大学大学院農学生命科学研究科教授1994年、日本大学生物資源科学部教授2006年、日本大学総合科学研究所教授東京大学名誉教授日本学士院会員平成24年度 文化功労者著書に『応用微生物学は種の多様性にはじまる』(三田出版会)、『新・微生物学(新装第2版)』(講談社)ほか

内容説明

人が、「知らないことを知らなかった」ところから、微生物の働きや生き方を、一冊にまとめた、微生物学の入門書。

目次

1 微生物とは何だろう?(微生物は見えない生き物;微生物は巨大な生き物;微生物は多様な生き物;微生物と人間のかかわり)
2 発酵する微生物(発酵とは何だろう?;発酵という文化;新しい微生物、新しい発酵;次の世代に向かって)
3 病気を起こす微生物(歴史の中の感染症;病原体との戦い;新しい感染症の姿)
4 環境の中の微生物(環境を支える微生物;共生する微生物;集団としての微生物;地球環境と微生物)

著者等紹介

別府輝彦[ベップテルヒコ]
1961年、東京大学大学院化学系研究科修了。1977年、東京大学大学院農学生命科学研究科教授。1994年、日本大学生物資源科学部教授。2006年、日本大学総合科学研究所教授。東京大学名誉教授。日本学士院会員。平成24年度文化功労者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 2件/全2件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

出世八五郎

18
人1人が立てる40センチ四方ほどの畑の土の中にいる微生物が、人間1人分の呼吸をしている一方、その土の中の微生物の重量はせいぜい100グラムしかない。遺伝子は親から子に伝達するだけでなく、遺伝子の水平伝達というものもある。まあ微生物の世界は凄い。カバー袖に『微生物学の入門書』とありますが、専門用語が多く微生物学または化学の基礎知識がないと読み進めるのは難しいです。兎角、微生物工学で開発リードするのが生き残る道だと思う。バイオテクノロジーです。そして微生物世界が人間社会の進むべき道をも示している。微生物は神♪2016/02/02

イノ

12
見えないんだけど身の回りの病気・腐敗・発酵・分解・腸・植物・天候までいたるところに存在して影響している微生物についてかかれている。  元々はもやしもんから惹かれ他の本で知った事を振り返る事が出来た。昔から利用している人の知恵も凄い。 単細胞とバカに出来ない多様性とか複雑な共生関係だったり最近はペットボトルを分解できる菌も発見されたりと進化の早さとか改めて驚かされた! 専門用語や複雑な化学式が多々あってやや読みづらいが見えない巨人の存在を知る事が出来る良書。面白かった!2016/03/15

GASHOW

8
大腸菌は栄養があれば、37℃で20分に1回分裂する。48時間でどれくらい増えるか。地球の4000倍だそうだ。微生物は、環境がゆるせば指数的に増える。そんなものと人類はつきあってきたんだと。さらりとした解説に深みがある。東大名誉教授の別所さんの知識の深さにあっとうされる。日本のエリートの知性を感じる。ぼくは、他国の学者のフランクなのりのほうが好きですが。2016/12/27

makio37

7
お気に入りさんのレビューから。微生物というと"脇役"というイメージが強かったが、とんでもない思い違いだと知った。生命の誕生以来、様々な環境変化に適応しながらこの惑星と共生してきた彼らからすれば、疫病の発生に右往左往し、アルコール発酵などの恩恵にあずかる人間など実に小さな存在だ。微生物について知ることは"自分"とは何かを考える鍵になるのではないかとも感じた。難しい専門用語に閉口する箇所もあるが、とにかく事例が豊富。イカと発光細菌の間の精緻な共生関係などには本当に驚く。2016/05/01

ふぇるけん

6
微生物が注目される場として「発酵」「病気」「環境」を取り上げて、微生物のすごさを思い知らされた。昔の日本人は微生物の姿は見えないのに、それを見事にコントロールしてお酒や食品を創り出していることに驚愕。微生物の世界は面白いなぁ。2016/03/01

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/9870950
  • ご注意事項