目次
第１章 何が問題なのか？（問題解決の方法としての「知性」には限界がある；「正しさ」をよりどころとすることはできない ほか）
第２章 「価値」はこれまでどう扱われてきたか（モダン／ポストモダンの時代区分；時代区分の精緻化 ほか）
第３章 様々な分野の「ポストモダンＸ」（ポストモダンＸの定義；ポストモダンセラピー ほか）
第４章 ポストモダニズムの目指すもの（ポストモダニズムと「相対主義」；価値の相対化／文化の相対化 ほか）
第５章 「ポストモダン」の本当の名前（ポストモダンの本当の名前；鑑賞による価値の発見 ほか）
著者等紹介
高田明典［タカダアキノリ］
１９６１年生。フェリス女学院大学文学部コミュニケーション学科助教授。早稲田大学大学院文学研究科心理学専攻修士課程修了。早稲田大学大学院理工学研究科電気工学専攻電子通信工学専門分野博士後期課程単位取得満期退学。（財）ＰＨＲＦストレス科学研究所研究員、尚美学園大学芸術情報学部情報表現学科専任講師などを経て、２００４年より現職。茨城大学教育学部非常勤講師（文化記号論）、早稲田医療技術専門学校非常勤講師（リハビリテーション工学）、芸術科学会理事、芸術科学会誌ＤｉＶＡ編集長、ＩＥＥＥ会員、日本心理学会会員
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感想・レビュー
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Ecriture
9
ポストモダニズムとポスト構造主義（ポストモダニティ下で構造主義が変容したもの、及びポストモダン構造主義）との違いの説明が明確で、相対主義とポストモダニズムの違いについてもロバート・イーグルストンを遥かに上回る形で説明している。テリー・イーグルトンは文化相対主義と価値相対主義を混同していて、ポストモダニストの未来への意思を捉え損なっているという指摘はもっともだと思う。責任を自覚しつつ（しようと努めつつ）選び取り、決断し、考えを異にする者と共生するポストモダニズムへ。巻末の文献紹介も興味深いものが並んでいる。2014/07/05
NICK
8
ポストモダニズムの企てる「戦略」を理解する上で大いに参考になった。ある理念に基づいて社会をベクトル付けようとする「モダン」の「大きな物語」への異議申し立てとしてポストモダン思想が現れてきた。価値判断の基準を誰かに委ねるのでなく、自らが価値を判断しその責任を引き受けるような思潮である。それは決してニヒリズムではない。むしろモダニティにあって自ら取り巻く「物語」を陰で愚痴る方がよっぽどニヒリズムであろう。フランス現代思想が「民主主義」を問題にするのも恐らく「個人が選択の責任を取る」というところにあるのだろう。2014/09/28
ぼにい
2
入門さえしたことがないのに再入門てどうよ、と思ったが読んでみた。断片的に見聞きしていたあれこれがうまく結びつきつつあるカンジ。この本で言うところのモダンとポストモダンの違いはわかったかも。仕事の上で長年考えてきたことがポストモダンに近いということに驚いたが、逆に最近はモダンのほうに近づいているようにも思う。生活者を見ればポストモダンに、企業を見ればモダンに、と行ったり来たりしているのかも。ポストモダニティな世界のなかでモダニティな企業はどうやって活動していくのだろう。2010/05/26
T2C_
0
ポストモダンについて幅広い視点から迫っている。個人的には「ポストモダニズムとはこうである！これも当然間違いを含むが、それを見出して次に繋げてくれよな！」という考えの基で縦横無尽に書き連ねられていた印象。好感を持って読み進めた。音楽、文学、芸術、建築、法学を通して集大成として「ポストモダニズムとは共に生きる事である」と説得力を持って締めた手管は美しさすら感じた。ポストモダニズムとポスト構造主義の異なりについてはまだ自分の理解が不十分か。その何事にも懐疑的な立場から、己が思想もポストモダニズムに近いのかなと。2015/11/06
deathchihuahua
0
むずかしい！！ブックガイドを何冊か読みつ戻りつやろう。 ただ、おかげでブックガイドの本を読んで「結局何が言いてえんだよ」と感想を持つことだけはなくなった。まず一歩でしょう。2020/11/18
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