内容説明
戦争は正義か、それとも必要悪か。フセインを倒すために戦争は必要だったのか。平和のために戦争は必要なのか。根源的な問いに気鋭の国際政治学者、藤原帰一がすべて答える。
目次
1 「正しい戦争」は本当にあるのか
2 日本は核を持てば本当に安全になるのか
3 デモクラシーは押しつけができるのか
4 冷戦はどうやって終わったのか
5 日本の平和主義は時代遅れなのか
6 アジア冷戦を終わらせるには
著者等紹介
藤原帰一[フジワラキイチ]
1956年東京生まれ。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程中退。現在、東京大学大学院法学政治学研究科教授。専攻は国際政治、比較政治、東南アジア政治。現在、季刊誌『SIGHT』で時評インタヴュー連載中
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感想・レビュー
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Porco
18
17年前の本なので、ロシアがクリミアを併合し、北朝鮮のミサイルがアメリカ本土に届くようになった今とは前提としている状況に違いがありますが、ソ連崩壊はアメリカに負けたわけではなく内部崩壊だったとか、憲法9条と日米安保は両方とも日本の再軍国主義化を防ぐものだと外国からは見られているとか、気づかされるところも多かったです。2020/02/07
ねこ
10
良書になります。核兵器について特に参考になりました。2015/10/30
Yukicks
5
正しい戦争という考えが蔓延すると歯止めがきかなくなる。勢力均衡という考えでは信頼関係を結ぶのが重要だが失敗すると軍拡競争に陥る。絶対平和主義は目の前の現実に目をそむけ、危機を拡大してしまう。平和とは汚い取引や談合を繰り返すことで保たれる。 僕たちにできることは、1個1個の軋轢を解きほぐし、武器がほしいと思う必然性を減らすということ。 平和を作る手段が戦争を作る手段とほとんど同じであり、平和を保つのも軍隊なら戦争を作るのも軍隊だという逆説・・・。難しい。2012/06/07
霜月ざら
3
インタヴュー形式なので非常にわかりやすい。日本で「戦争」「平和」というと内向きな議論が多いが、この本は世界規模で話されていてなんとなく違和感を覚えていた部分がスッキリした。「平和を唱えるのが理想主義で、戦争が現実なんだっていう二分法は必ずしも正確じゃない」「目の前の現象をていねいに見て、どんな手が打てるのかを考えること」「必要なのは祈る平和じゃなくて、作る平和」10年前の出版なので国際情勢は変わっているが日本が何処を目指したらいいのかが少し見えた気がする。2013/04/24
イブスキ シンイチロウ
3
国際政治学者であり、雑誌「SIGHT」で連載をしている藤原帰一氏と、渋谷陽一氏の対談式ということで読んでみました。ジャンルの違う立場の方へのお話は、難解な言葉に頼らず、現実的にひとつひとつ丁寧にわかりやすい内容でした。現実を冷静に分析する姿勢と、国際政治という広い視野を与えてくれます。2011/01/21