本で床は抜けるのか

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  • サイズ B6判/ページ数 253p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784860112677
  • NDC分類 024.9
  • Cコード C0095

出版社内容情報

床抜け危機、勃発! 気づけば部屋中本だらけ。蔵書家たちの対策は?

WEBマガジン「マガジン航」で連載開始するや驚異的なアクセス数を獲得、読書家の間で大きな話題を呼んだ連載『本で床は抜けるのか』が単行本に!

売却、電子化、書庫づくり......どの方法で切り抜ける?
家族も巻きこむ蔵書問題へ果敢に挑んだ体験記。

■四六判並製 ■256ページ

目次

はじめに 8

1 本で床が埋まる 10
不安のはじまり/引っ越し計画/「これはやばいですね」/一級建築士の見解 

2 床が抜けてしまった人たちを探しにいく 29
恐ろしい話/正反対のアドバイス/マンションの床は抜ける?/「床抜け」をおもしろがっている小説家/『続 家庭口論』の裏話/アパート補修の謎/補修の跡/施工業者が明かした真相

3 本で埋め尽くされた書斎をどうするか 52
本との格闘/増殖する蔵書とともに住まう一家/他人の荷物は嫌だ/蔵書と病気/本が嫌になった

4 地震が起こると本は凶器になってしまうのか 68
東日本大震災と本棚/床を埋めた180万冊/真っ二つに割れた本棚/ありすぎる「本」の存在感 

5 持ち主を亡くした本はどこへ行くのか 81
手をつけられない「祖父の蔵書」/作家たちの蔵書のゆくえ/天文学マニアだった父親の蔵書を捨てる/遺された人たちのプロジェクト/「祖父の蔵書」のその後 

6 自炊をめぐる逡巡 106
本の自炊を代わりにやってもらうことは違法なのか/自炊代行業者へ蔵書を送る/すり替えられた論理/「自炊」という行為は屠畜に似ている

7 マンガの「館」を訪ねる[前編] 125
とても辺鄙なところにある「館」/少女マンガという遠い世界/「女ま館」に入る/『少女マンガ大事典』を作りたかった/水色のイメージ/現代マンガ図書館と米沢嘉博記念図書館 

8 マンガの「館」を訪ねる[後編] 141
戦後マンガ史の古層を目の当たりにする/マンガ本を集める理由/亡くなった後も増殖し続けるコレクション/父の蔵書を受け継ぐということ/東京国際マンガ図書館に継承されるもの 

9 本を書くたびに増殖する資料の本をどうするか 157
「床抜け」騒動から1年で本はどれだけ増えたか/本が自宅を侵食しはじめる/本が増えるさまざまな要因/増え続ける本と家族の今後/大量の本を必要とする理由

10 電子化された本棚を訪ねて 166
いくつかの打開策/電子化への期待と抵抗感/ iPadでは「読めた」/幼なじみSの試み/蔵書をまるごと電子化する/「困ってるひと」に教えを請う

11 なぜ人は書庫を作ってまで本を持ちたがるのか 193
知人の書庫に出くわす/「崩れた本」のゆくえ/塔のような書庫/狭小物件の円形書庫/書庫はなぜ丸いのか 

12 床が抜けそうにない「自分だけの部屋」 218
壊れる前兆/修復しがたい亀裂/「無駄」なあがき/新しい物件を求めて/机の上のベッド/人生のアーカイブ/さよならアパート/別離/思い出に別れを告げる/「自分だけの部屋」での再出発

おわりに 245
参考文献 250

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かわうそ

77
★★★☆☆やっぱり紙の本は電子書籍に勝るなというのが率直な感想。自分の蔵書をすべて電子化した武田徹は言う。「年をとってくると昔、何を読んだのか思い出せなくなってくるんですよ。現物を目にしていれば記憶を刺激する機能は多い。物で持っている強みというものがある。PDFにすると検索できるから探す手間はなくなるんだけど、出会う偶然を味方にすることはできなくなるとおもうんです。だって、こんな本があっただろうって記憶がなければ検索はかけられないでしょ」(p183)とのこと。紙の本をこれからも保護していく必要性を感じた。2017/01/05

ゆかーん

70
まず回答。「本で床は抜けます!」(笑)有名な井上ひさしさんも、本の重みで床に穴を開けたようです。では、何冊以上所持すると危ないのでしょうか⁉︎色々と状況によりますが、その数は五千冊!その殆どが木造の家屋の倒壊でした。正直「捨てればいいじゃん!」と思ってしまうのですが、ライターや作家などは参考文献の数がモノを言う世界。捨てたくても捨てられないのが現状なようです…。打開策として考えるのは「自炊」。電子化できれば理想ですが、写真集や大型本はなかなか難しい…。これから先も、蔵書との戦いに終わりはなさそうです…。2018/01/07

Nobu A

68
HONZ推薦本。活字好きには堪らない、同時に神経質になりそうな表題。面妖なタイトルから本著がどのように展開するのか興味津々で頁を繰る。意外、いや期待していた以上の内容。著者自身の経験から問題意識を持ち、地道にルポを続け丹念に調査。増え続ける本とどう折り合いをつけるのかは多くの人が直面するが故に社会問題として捉えることも可能な気がする。あまり話題にならないトピックだけに好奇心を掻き立てられ、知識欲が満たされた読後感。ただね、本命題が及ぼした影響による結末に唖然となり悲しくなった。本著がもっと売れて欲しいな。2023/05/04

Willie the Wildcat

66
積載荷重?!集密書架、寄贈、果ては”自炊”?!仕事に必須となれば蔵書も半端ではないと推察も、流石に家庭崩壊は如何なものか・・・。(汗)自業自得とはいえ、著者も辛い選択。興味深いのは、”深さ”と対処法は別として同じ悩みがある点。実例での弁済金は確かに洒落にならない。私の場合、US/SGへの引越しが転機となり、身の回りを整頓。蔵書の整頓は寄付が基本線。何気に内澤氏と相通ずる考え。一人で抱えるのではなく共有できる場に提供。まぁ元々書庫など持てない我が家の事情もありますけどね。(笑)2016/08/10

HANA

60
蔵書を巡る悲喜劇といった内容を予想していたのであるが、相当切実な内容であった。読書を趣味、仕事で本が増えるといった人にとって増殖していく本をどうするかというのは永遠の悩み。ここでは実際に床が抜けた話、また床が抜けない置き方から始まり、著名人や文筆家の本の保管方法等を追っている。一部の人みたいに書庫を建てるのが一番だけど、誰もがそんな非常手段取れるわけではないし。一番実用的なのが自炊かなあ。私自身はとりあえず田舎在住につき部屋は多いので、今のところ何とか置けている。理解ある家族に感謝しながら読んだ。2015/04/25

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