内容説明
東京電力福島第一原発の過酷事故発生から3年半が経過した。除染事業の予算消化とともに避難区域が再編され、周縁部から徐々に住民が戻り始めている。だが、除染対象から外れた「非除染地帯」の森・川・海では、今も大量の放射能が生態系をめぐり続けている。食物連鎖の流れに乗って、草木や虫や獣や魚たちの体を出たり入ったりしながら、セシウムは一向に消えてなくならない。被災地の「山の幸」「海の幸」はいつ元通りに戻るのか―答えを探して各地を歩き回った。
目次
第1部 二〇一三年冬(奪われた山の幸;沿岸放射能のゆくえ;被曝した生きものたち;里が山に飲み込まれる;東北の幸をとりもどす)
第2部 二〇一三年夏(避難指示解除準備区域にて;20キロ圏内ナイトツアー;アユが放射能をため込む理由;モリアオガエルに心寄せて;マタギたちの苦悩;セシウムは泥水とともに)
第3部 二〇一四年春(汚染土を食らうシシたち;サルの血が物語ること;アユは川底から被曝する;ユメカサゴの警句)
第4部 非除染地帯の生態系はいま(「生態学の目」で見る)
著者等紹介
平田剛士[ヒラタツヨシ]
1964年広島市生まれ。北海道大学大学院工学研究科中退後、北海タイムス(札幌)記者を経て1991年からフリーランス。環境問題を中心に取材活動を続け、「週刊金曜日」「北海道新聞」「朝日新聞」「faura」などに寄稿(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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