内容説明
板東に咲く合戦と恋―京の都の繁栄をよそに、民衆達の疲弊した生活を憂いた渡来衆の長=蒼真と板東の益荒男=将門小次郎が反乱軍を率いて朝廷軍に挑む!
著者等紹介
中島かずき[ナカシマカズキ]
1959年、福岡県生まれ。舞台の脚本を中心に活動。85年4月『炎のハイパーステップ』より座付作家として「劇団☆新感線」に参加。以来、“いのうえ歌舞伎”と呼ばれる物語性を重視した脚本を多く生み出す。『アテルイ』で2002年朝日舞台芸術賞・秋元松代賞と第47回岸田國士戯曲賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
arisaka
6
平将門をモデルにした劇団新感線の戯曲。聞き取れない台詞があったので戯曲で確認。戯曲を読むと演出の大切さがよくわかるというか、これがああなるのかと、舞台のシーンを頭に浮かべながら読了。人間ドラマとしても素晴らしいので、小説として書き下ろしてくれたらいいなと思います。戯曲だとやはり読む人が限られちゃうし。2014/05/08
けいこ
5
天海祐希さん、松山ケンイチさんなどが出演された舞台の戯曲本。史実の平将門や藤原純友の承平・天慶の乱を基にした、架空のお話です。若干強引な展開がありますが、小次郎が命懸けで蒼真を助けた後のあたりが印象に残りました。蒼真の「小次郎に命懸けで大切に想われた…」という幸福感が、読み終えた後から、じわじわと来ました。2014/04/02
kokekko
3
新感線のおしばいに触れたのはごく最近だが、エンターテインメントのど真ん中を突き抜けてゆくようなありよう、特に脚本がとても好きだ。戯曲の形で読むと、キャラクターの名前の選び方の字面がかっこいいとか、ト書きになっている背景描写などはそう多くないのにそこからどうやって膨大なセットをくみ上げてゆくのだろうとか、いろいろ考えながら楽しむことができた。シェイクスピアを読んでいる時にも思ったが、戯曲というのは生身の人間が演じて初めて完成するものだ。これは完成形ではないけれど、その大きな礎を見せてもらった気分だ。2021/06/26
mamegohan
2
舞台見たかった……。ただ、今はそれだけです(泣)2014/06/08
マモラジオ
2
将門小次郎の馬鹿なくらい真っ直ぐな生き方がすごくかっこいいです。そして純粋で真っ直ぐな蒼真、同じ志を持っていながら戦で敵味方になってしまう。悲しさというか儚さというか、そういうものを感じました。何回も読みたいです。2014/04/25