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働かないアリに意義がある―社会性昆虫の最新知見に学ぶ、集団と個の快適な関係

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  • サイズ 新書判/ページ数 189p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784840136617
  • NDC分類 486
  • Cコード C0245

内容説明

7割は休んでいて、1割は一生働かない。巣から追い出されるハチ、敵前逃亡する兵隊アリなど「ダメな虫」がもたらす意外な効果。身につまされる最新生物学。

目次

序章 ヒトの社会、ムシの社会
第1章 7割のアリは休んでる
第2章 働かないアリはなぜ存在するのか?
第3章 なんで他人のために働くの?
第4章 自分がよければ
第5章 「群れ」か「個」か、それが問題だ
終章 その進化はなんのため?

著者等紹介

長谷川英祐[ハセガワエイスケ]
進化生物学者。1961年東京生まれ。北海道大学大学院准教授。農学研究院環境資源学部門/生物生態・体系学分野/動物生態学研究室所属。観察、理論解析とDNA解析を駆使して、主に真社会性生物の進化生物学研究を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

462
ここで扱われる社会性昆虫は、ダーウィンの『種の起源』でも、彼の自然選択説では説明できない例として紹介されているらしい。集団の中に働かないアリが存在することも不思議だが、働きアリたちが一切の繁殖行動をせず、ひたすらに集団のために働き続けるのはもっと謎だ。そうした疑問に、最先端の研究成果をもって答えたのが本書。門外漢にも実に解りやすく解説されているし、ここで提示されている考え方には納得させられる。また、ここにはアリをきっかけに、進化の問題そのものを考える重大なヒントが提示されていることも意義深い。2015/08/03

absinthe

189
集団の全員がまったく同じ判断基準で動くとかえって危険だという。人間にも通じる話である。アリが働き出す条件は、自然があえて個体差が持たせてあって、個性を持った動きをすることで集団が助かっている。あんなにちっちゃな頭のアリがこれだけ複雑で多様な動きを見せるとは大したものである。働き者と怠け者に分離しても、それぞれ働き者と怠け者になるというのが面白い。大きな蟻は強そうだが、先頭では護衛を引き連れて逃げる。生産に掛かるコストを考えるとそのほうが経済的だという。大きな蟻は荷運び係らしい。

mitei

167
アリの7割が働いていないということにまず驚いたが働いていないことにもちゃんと意味があることがわかった。2012/01/09

またおやぢ

135
「大きな組織に所属するアリの体のつくりが雑」なのは知らなんだわ…種の保存に最適な方法にて群れが構成され、その群れに寄る個体もまたこの群を構成するに最適なものである事が何とも面白い。非常に整然とした文章であり、知識欲をくすぐられる一冊。2014/05/05

ntahima

129
“働き蟻”なんて呼ばれているくせに実は7割ほどの蟻は巣の中で何もしていないらしい。おまけに一生涯、殆ど働かない輩もいる。他にも“兵隊蟻”にも拘わらず敵前逃亡する奴がいるかと思えば、働き詰めに働いて過労死する“超勤勉蟻”までいるそうだ。ところで、働かないといっても決して怠けている訳ではなく、ちょっと鈍なだけ。名前以上にワーカホリックな同輩に仕事を先取りされて、働けないというのが事の真相。何か身につまされるね^^;しかし蟻の世界では、この鈍臭い蟻達が非常に重要な存在意義を持っているというお話。面白い!要再読。2012/11/03

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