内容説明
何の変哲もない道路で起きた事故、誰もが道路の危険性を認識しながら防ぐことができなかった事故。行政ミス、住民の善意、自然現象、そして人の身体が作り出す錯覚―交通事故・事件の意外な原因と真実を、最新の科学捜査によって解き明かす驚異の科学ノンフィクション。
目次
交通事故で悪しき縁を結ばないために
序章 思い込み―科学の進歩が人の認知力を下げる
第1章 錯覚―人の体が嘘をつく
第2章 善意―住民の声がもたらす悲劇
第3章 特殊性―非日常の空間に潜む悪魔たち
第4章 落とし穴―誰も知らない道路の秘密
第5章 行政―彼らが見落としたもの
巻末コラム 人の心を持たない運転者たち
鑑定の向こう側には、いつも人がいる
著者等紹介
石橋宏典[イシバシヒロノリ]
民間科学鑑定機関「法科学鑑定研究所」に所属し、主に「交通事故鑑定」「画像解析」を担当。日本法科学技術学会正会員。年間100件を超す交通事故案件の相談を受ける。2005年の群馬県トンネル衝突事故では、保険会社が下した「自殺」認定の論拠を覆した鑑定が、画期的な事例として判例実務誌『判例タイムズ』に掲載された。ニュース番組での解説協力も多い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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はなあぶ
5
引き締まった文体で読みやすく、内容も面白いため、あっという間に読めた。今後、運転する際に気をつけたい視点が新たに加わり、読んで良かった。交通事故の原因を鑑定するという、こんなにも社会的に有意義で、面白そうな仕事がこの世にあることも初めて知った。事故の原因と態様を解明する事は、事故から教訓を得る事に繋がる。人の不注意や錯覚だけでなく、道路の問題に起因する事故もある事を知った。こうした問題は、工事を計画する行政の詰めの甘さが原因。また、折角、鑑定後に、改善点を提案しても、行政がすぐに改善しない点は嘆かわしい。2015/05/24
AQI
1
★4…2018/05/03
Yasuko Watanabe
0
★12017/12/06
サンポンコウ
0
最近読んだ別の本を読み影響を受け、日常でリスクを減らす方法を関心に持ったので探して読んだ。内容は文だけでなく絵や写真で分かりやすく解説されており、運転への意識が変わった。教習所では聞けない貴重な内容ばかりで、著者を尊敬します。多くの人が読むべきであり、知るべき事例がよくわかります。2017/07/20
ホンドテン
0
図書館で。交通事故発生の要因についての関心から、自転車も車なので。事故原因の体系的紹介より経験談、挿話性が高い雑本。保険屋の安易な自殺認定やら行政土木部門の事故隠蔽やら、半信半疑ながら読後運転したくなくなったのは事実。巻末の「交通事故鑑定人認定基準」は留意すべき示唆、他人事ではない。2017/02/11