ダ・ヴィンチブックス
トーマの心臓

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  • サイズ B6判/ページ数 300p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784840128674
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

ユーリに手紙を残して死んだトーマという美しい下級生。ユーリを慕っていたという彼は、なぜ死を選んだのか。良家の子息が通う、この学校の校長のもとに預けられたオスカーは、同室のユーリにずいぶんと助けられて学生生活を送ってきた。最近不安定なユーリの心に、トーマの死がまた暗い影を落とすのではないか。そんな憂慮をするオスカーの前に現われた転校生エーリク。驚くことに彼はトーマそっくりだったのだ―。愛と孤独、生と死に苦悩する若者の内面を森博嗣的世界観で描いた傑作。萩尾望都の名作コミックを森博嗣が小説化。描き下ろしイラスト多数収録。

著者等紹介

森博嗣[モリヒロシ]
1957年愛知県生まれ。某国立大学工学部助教授職の傍ら、1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞して作家デビュー。受賞作をはじめとする「犀川・萌絵(S&M)シリーズ」で一躍人気作家に

萩尾望都[ハギオモト]
1949年福岡県生まれ。69年『ルルとミミ』でデビュー。76年『ポーの一族』『11人いる!』で第21回小学館漫画賞、97年『残酷な神が支配する』で第1回手塚治虫文化賞マンガ優秀賞、06年『バルバラ異界』で第27回日本SF大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

120
萩尾望都の漫画を森氏によってノベライズ化したもので、僕は少し前に原作のほうを読んだばかり。双方どちらのファンからも賛否色々あるかもしれないけれど、少年期の残酷さや純粋さや哀しみ、苦悩を描いたあの世界観を美しく表現されていた。ただ、どちらを先に読むかとなると、たぶんこちらを先に読んでいたとしても不都合はないと思う。でも、この本の場合はドイツを舞台にした原作を読んでからのほうがわかりやすい気がする。また、10代の頃に読むべき作品のようにも思えるけど、おそらく人生経験を重ねた大人のほうが深く解釈できるはず。2013/08/14

mariya926

102
『すべてがFになる』シリーズを制覇してみたかったので、図書館にあった森博嗣さんのを読んでみました。原作は森さんではないみたいですが、文章はさらさらとしていて読みやすかったです。トーマとそっくりなエーリクが登場したことで、トーマの死について明かされるとかと思いましたが、まったく違う方向に言ってしまいました。それでもエーリクの明るさが、オスカーやユーリの傷や闇から抜け出す道しるべになった気がします。3人の友情が素敵ですが、章のはじめの詩で恋について書いてあったりして、いつそっちにいってしまうかヒヤヒヤしました2018/11/21

ひめありす@灯れ松明の火

96
森博嗣の精緻・静謐×萩尾望都の詩情・叙情。翻る黒いマントコート。羽の様な粉雪が舞い落ち。手を伸ばしたら儚く消えた。まるで夢の様な君みたいだった。浅い眠りの合間に訪れる残酷な現実。朋友と双子の様な転入生と共に深まる夜の中探した真実。諦めきれない未来。締め出された過去。神様と信仰と、決断する勇気。君の死がくれた僕らの自由を、忘れない。君の心臓はここにある。僕らの勇気と自由の中に。心の鍵穴は月の形。満ちた夜にだけそっと開く蔵。僕らがもっと大人になってこの選択が当たり前になっても、その日だけは忘れず君を思い出す。2013/02/03

mocha

86
タイトルは憶えてるけど内容は全く記憶にない、はずだった。ところが読むほどに絵が蘇ってくる。頬杖をつくトーマ、眉をひそめるユーリ、窓枠に腰掛けて本を読むオスカー…。ドイツのギムナジウムではなく、日本の理系の学校へと舞台を移していることには驚いた。恩田陸『ネバーランド』あるいは長野まゆみのよう。いや、それらの作品に影響を与えたものこそ萩尾望都なのか。森氏の硬質な文章が、少年達の翳りを美しく表現している。ノベライズに留まらない作品だと思う。2015/10/06

エンブレムT

72
原作の繊細なガラス細工のような完璧な美しさ、それと同じモノを求めて読むと辛いです。森さんの文章は好きですし、オスカー視点も良いと思いましたが、舞台が日本に置き換えられているのが致命的でした。宗教をベースにした世界観がなければ成り立たない物語だと思うので、どれだけ澄んだ美しい物語であっても、これは『トーマの心臓』ではないと思います。別の、美しい作品ではありましたが。2010/03/25

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