内容説明
１６歳のニックと１８歳のアランの兄弟は、ある理由からイギリスじゅうを転々とする生活を送っている。追手の魔術師がせまれば胸にさげたタリスマンが震える。次の街へ移るころあいだ。だが、アランの足に悪魔の刻印が押されたとき、ニックは正面から戦うことを決意する。同じく刻印を押されたジェイミー、そしてその姉のメイも仲間に加わる。―だがニックを待っていたのは、思いもよらない自分の出生の秘密だった。全米騒然の大型ファンタジー第１部。
著者等紹介
ブレナン，サラ・リース［ブレナン，サラリース］［Ｂｒｅｎｎａｎ，Ｓａｒａｈ Ｒｅｅｓ］
アイルランドの海の近くで生まれ育つ。ニューヨークの大学で小説を、イギリスのサレーで司書学を修める。その後アイルランドに戻り、執筆活動をはじめる。『デーモンズ・レキシコン』がデビュー作
番由美子［バンユミコ］
東京大学文学部卒。英語・フランス語翻訳者（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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藤月はな（灯れ松明の火）
22
魔術師に追われ、各地を転々とするアランとニック。兄のアラン以外はどうでもいいニックは文通相手の手紙を兄が受け取る前に処分し、彼に近づく奴らには威嚇する。・・・結構、ヤバいけど気持ちは何となく、分かる気もせんではない。しかし、一見、か弱いアランの方がもっと凄かった！正直、「子供にここまで背負わせるか」とか「影が薄かった母親の活躍がここって・・・」とも思わんでもないが。そしてなぜ、ニックが精神病質者の特色でもある利己的で他者への共感がない点や加えて難読症なのかという疑問が伏線と回収されていくのは見事でした。2013/09/15
深青
13
兄弟愛は凄いんだが、ニックさん(弟くんです)…お兄さん以外も気にかけてあげて！と思ってしまった。読んでいて「ん？」と思うところは随所にありました。弟君のお兄様への一途な想い(執着と言ってもいいかも)お兄様の隠し事や怪しげな行動。それらの理由がだんだんわかってくると色々と腑に落ちました。お兄様、かっこ良かったよ！ただ…惜しむべくは、続編が出てないのか訳されてないことかな。2015/04/19
Alice@JazzCafé
8
悪魔を操る魔術師と対決する兄弟の活躍が描かれたダーク・ファンタジーですが、カバーイラストを見て、アニメ『青の祓魔師』の原作本かと一瞬思ってしまいました（笑）。（ちなみに本書は眼鏡をかけている方がお兄ちゃんです。）この兄弟は固い絆で結ばれながらも、秘密を抱えた兄の不振な挙動や弟の兄に対する独占的な執着（病んでるっぽい）が、どこか不安定な空気感を漂わせています。そして伏線が回収されていく後半からが面白い！これは是非ネタバレ無しで読んでいただきたい。アッと驚く結末が楽しめます。2013/08/31
香穂
7
良い兄弟もの。片方だけの依存関係かと思いきや。これで続くみたいなので気になる。いやぁ、良い兄弟ものだった…（結構病んでる気がしなくもない）。2011/03/26
らび
7
「魔術師」に狙われ続け、英国中を転々とする一家。父は亡く、兄弟は気のふれた母を守りつつ日々を送っていたが…という導入ですが物語は…帯が全て(ぇ。まず兄ありき、な主人公。「兄＞越えられない壁＞その他大勢」という明確過ぎる行動基準があるため、母親を犠牲にしかけます。本気です。兄が眺める写真の女性に嫉妬します。本気です。これだけ書くとアレな感じですが、特殊な出生である(それが物語の根幹でもある)彼にとって、唯一「兄」だけが確かな繋がりだからということで。性格上は裏表のない弟よりも、実は兄の方が容赦なかったり…。2009/05/08
