出版社内容情報
岡本 綺堂[オカモト キドウ]
著・文・その他
東 雅夫[ヒガシ マサオ]
編集
内容説明
怪奇ラブロマンスにして仰天のUMA伝奇小説!?幻の長篇小説を約1世紀ぶりに史上初復刻!他に単行本未収録の怪談実話集と名作「木曾の旅人」の戯曲版「影」を併録。
著者等紹介
岡本綺堂[オカモトキドウ]
1872年、東京芝高輪に生まれる。小説家、劇作家。府立一中(現・日比谷高校)卒業後、新聞記者となり劇評、小説などを執筆する。多くの戯曲や、時代小説などで、劇壇と文壇に重きを成す。1993年、没
東雅夫[ヒガシマサオ]
1958年、神奈川県横須賀市に生まれる。アンソロジスト、文芸評論家。怪談専門誌『幽』編集長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
深青
15
岡本綺堂さん、初読み。とても読みやすく、面白かったです。長編の方は怪談というよりも民話、地域の歴史と言っても良いような気もします。山村ってどうして、こう怪談が似合うんでしょうね。他の作品も読んでみようかなぁ。2016/12/13
凛風(積ん読消化中)
10
長篇1篇、と短篇6篇(うち、1篇は戯曲)を収める。長篇『飛騨の怪談』が面白い。まさに活劇。場面展開が速く、キャラが立って飽きさせない。にも関わらず、後半イヤ〜な気分になる。「今日の人権意識から見て不当・不適切な語句や表現」が綿々と続くからで、この後味の悪さが残念。途中、江戸から流れてきた酌婦のお葉と、山奥で暮らす重太郎の切ない恋模様がいい。いろいろあって、みんな死んで、一番面白味のない主人公2人が、これと言った活躍もせず(ほぼ倒れている)生き残って幸せになるのも、リアルでいい。実話短篇も時代感に趣がある。2021/11/08
poke
6
表題作は奥深い山村を舞台に山𤢖が登場するし、怪談より民話に近い。とはいえ実際に物語の中心にあるのは人間関係。初めは気持ち悪さのあったお葉と重太郎の恋心と情が最後切なかった。山𤢖とは中国の妖怪とのことで、作品中の山𤢖の正体とも重なり納得。他にも短編の怪談も収めてあり満足できた一冊。2021/05/10
アントモーサ
5
綺堂という美しい名前の通り、端麗な文章。2016/12/01
mimm
4
岡本綺堂の怪談文芸作品の中より、長編小説と戯曲、怪談実話の数編を加えたアンソロジー。山ワロと呼ばれる怪物を巡る、ハラハラの止まらないスリラー(一歩間違えばB級ホラー)小説でした。民俗的要素も含み、当時の差別や未知なるものへの畏怖の念も伝わります。読み出したら止まりませんでした。ぷはー寝不足。2017/11/29