夜は一緒に散歩しよ

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  • サイズ B6判/ページ数 271p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784840118538
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

横田卓郎は妻を亡くし、娘の千秋と二人で暮らしていた。千秋は母の死後、奇妙な絵を描くようになる―人ではない、異形のものを。ある日をきっかけに、千秋は「青い顔の女」ばかりを描くようになった。千秋はその顔を「ママ」と呼び絵を描くことに異常に執着する。そしてもう一つ執着すること。それは、夜の散歩だった。『ダ・ヴィンチ』『幽』主催第1回『幽』怪談文学賞長編部門大賞受賞作。

著者等紹介

黒史郎[クロシロウ]
1974年神奈川県生まれ。趣味は妖怪、オカルト、都市伝説の収集。オリジナルアニメDVD『カクレンボ』で原案・脚本を担当。2007年「夜は一緒に散歩しよ」で第1回『幽』怪談文学賞長編部門大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

🐾Yoko Omoto🐾

143
ホラー作家の横田は妻の死後幼い娘と二人暮らし。娘は自分の世界にこもり、ひたすら奇妙な「青い顔の女」の絵を描き続ける。それは一体誰の顔なのか。横田家の怪異を発端に、周囲は得体の知れない何かに蝕まれ次々と精神を病んでいく。果ては街全体へと…。壊れたような言動と奇行を繰り返す子供の描写が非常に秀逸で心底ゾッとする恐ろしさだったが、これほどの異常事態で切迫感や深刻さに欠ける父親へ「どう見ても子供おかしいだろ」と苛立ちのほうが勝ってしまった。モヤッとな終幕はホラーの常道ではあるが、どう解釈するべきか、やや消化不良。2017/12/12

nobby

114
うーん、中盤までゾクゾク楽しんだだけに、終盤の唐突な落とし所が勿体ない…非凡なセンス見せながら絵に没頭する4才の少女、何時ぞやか不気味な「青い顔の女」ばかり描きママと呼び、それに合わせて周辺で奇怪な死が頻発する。何かが憑依しているのか、はたまた母親の呪怨なのか、その娘の豹変ぶりの描写の恐怖やグロさはなかなか。その一方で、父親があまりに傍観するばかりなのに違和感あり過ぎる…結構いろいろ周囲から情報もらい行動も促されてるのに逆にイラつくだけとはヒドい!そもそも毎日23時に幼い娘と散歩に出たらダメだと思う(笑)2017/12/17

ままこ

101
執拗な悪夢のような狂気が渦巻くホラー。ホラー作家の幼い娘が、母親を亡くしてから奇妙な絵を描くようになった。その絵は次第に不気味さを増してくる。見たものを不穏な気持ちにさせる青い顔の女の絵。じわじわ忍び寄る死の連鎖。表紙とタイトルからも不穏さが滲み出る。ゾクっとする余韻が残るラスト。第1回『幽』怪談文学賞長編部門大賞作品】2020/07/19

aquamarine

77
子供には大人には見えないものが見えて聴こえないものが聴こえるのかもしれない、それは否定しません。でもそれが青い顔をした女の人なら?千秋がママと呼ぶその女性は本当に亡くなった母親なのか…。実は、重なった顔や千秋の異常行動の怖さよりも、彼女につきあって毎晩散歩する父親や、新しく担当になった彼女の思いや行動などに、不可解さや気持ち悪さを強く感じてしまいました。兄夫婦は本当に痛々しかったのですが。和風ホラーとしてすごくよくできてると思うのですが、もっと怖くなりそうなので、何かが足りないのか少し勿体ない気がします。2017/11/22

ちょろこ

73
この怖さ、拍手もの!の一冊。ちょっとナメてかかってた自分を深く反省。これは久しぶりの拍手ものの怖さだった。子供×ホラーって、やっぱり最強だな。しかも得体の知れないものがずっと背後につきまとう感覚、この描写が半端なく怖い。自分だったらいくら親子でも一緒に住めないわ。夜の散歩?もちろんどんなに誘われても行きません。軽くトラウマ状態に陥ったこの作品、どうせならラストまであの理解不能な人を出さないでいってほしかったな、というのが正直なところ。あぁ怖かった。2017/11/17

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