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ダ・ヴィンチブックス
絶望・断念・福音・映画―「社会」から「世界」への架け橋(オン・ザ・ブリッジ)

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  • サイズ B6判/ページ数 368p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784840111300
  • NDC分類 778.04
  • Cコード C0036

内容説明

気鋭の社会学者・宮台真司が、映画を切り口に、現代社会の構造を解き明かす。

目次

プロローグ:なぜ今サブカルチャー分析なのか
『バレット・バレエ』で塚本晋也が吐露した“断念”に自己破壊こそが自己確証をもたらすという逆説を見る
映画『シュリ』に、太陽政策の倫理的基盤を見出し同時にまた、日本を超えた韓国の高い民度を見る
映画『新しい神様』に、イデオロギーとは無関係に“スゴイもの”に感染する“恥ずかしき者”たる己を知る
複数の映画や小説に見出される同一のモチーフに、“社会”より“世界”に敏感であることの必要性を見る
映画『オール・アバウト・マイ・マザー』に単なるメロドラマを超えた二重の水準での“受容の輪”を見る
映画『マルコヴィッチの穴』に、“スゴイからこそダルイ”という境地を見る
映画『カリスマ』と『TRUTHS:A STREAM』に、“狂暴な脱社会”ではなく、“柔和な脱社会”的存在の在り方を見る
映画『ユリイカ』に、脱社会的存在を柔和にする、名状しがたき、“福音”としての“海”を見る
映画『マトリックス』と『アヴァロン』に、東浩紀の言う“不過視なもの”の概念が社会システム理論に接続する様相を見る〔ほか〕

著者等紹介

宮台真司[ミヤダイシンジ]
1959年仙台生まれ、京都育ち。社会学博士。東京都立大学助教授。東京大学大学院博士課程修了。社会学的視点で、事件から社会風俗までさまざまな事象を鋭角的に分析する気鋭の社会学者
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

はすのこ

10
本書単体で読むのは時間の無駄。何故か。理解が出来ないからです。終わりなき日常→美しき少年→サイファ→本書の順で読むと本書の内容の7割方の理解が可能です。サイファで語った内容を映画を通して展開する各論的内容。理解の一助となるキーワードは「今後、どう生きるか」であると思う。2016/03/11

ゆうきなかもと

9
「理屈でわからない、自分の理解を遥かに超えた物事があるからこそ、世界は豊かなのだ」ということを教えてくれた本。 タイトル、と言い、表紙のデザインと言い、安堵のため息を付きたくなる、雰囲気に溢れた一冊。 スマホ以前の世界はもっと不可解だったな。2022/01/16

踊る猫

8
どのようにして生きて行けば生きやすくなるのかという著者の自問自答を読んでいるような気にさせられるのだが、そのあたりは著者も自覚的なのだろう。逆に言えば、著者と問題意識を共有し得ない人間(つまり、私のような別に「社会」の中でなんとなく苦しみながらでも生きて行ければ良いかと思っているボンクラ)にはピンと来ないところも多々あり、そのあたりで本書の評価は割れるのではないか。分析に関しては参考になる部分が多いが、基本的にスジを重視した批評になっているので映像美についての言及はさほど為されない。それを望むのは酷な話か2016/09/24

Bartleby

7
「社会」で生きづらさを感じていた人物があることをきっかけに「社会」よりも広い「世界」に触れ、それにより脱社会化し破滅してしまったり、あるいは癒されて「社会」を生きていけるようになったりする。たとえばそんな風に、この本は「世界」や「社会」などの枠組みを使い90年代末から00年代初頭までの映画を解釈している。実存批評というものの可能性を考えることが目的の本なので、頻繁に同じ図式が使われていて、映画の面白さはそこだけではないんじゃないかとも思ったけれど、解釈のひとつの図式としては使いやすいしとても参考になった。2014/03/14

popcorn

5
数年ぶりに再読しました。最初に読んだときは2割くらいしか理解できませんでしたが、今回で漸く7割は理解できた気がします。抽象度が高く、専門用語、逆説を多く含むので難解ですが、今の社会・世界を観る上でかなり有効になりそうな枠組が得られるので読んで損はないと思います。私自身この本のおかげで結構頭の中が整理できるようになったと実感しています。この本は映画を素材にして実存批評(この用語自体解り難いですね)していますが、小説などを読む際にももちろん使える枠組だと思いますので、映画をあまり観ない人にもお勧めできます。2013/11/27

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