ファインマンさん 最後の授業

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  • サイズ B6判/ページ数 239p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784840108973
  • NDC分類 289.3
  • Cコード C0098

内容説明

当時の私は大きなプレッシャーの中にいた。自分にいったい何ができるのか?自分は本当は何がやりたいのか?私が赴任したカリフォルニア工科大学(カルテク)には、大勢の優秀な科学者がいた。その中にあの有名なファインマン先生はいた。私が会った先生は、二度目のガン手術の直後で、ひどく体力をなくしていた。それは、いたずら好きでユーモアいっぱいの「ファインマンさん」ではなく、ひとりの年老いた研究者だった。初めて先生と話をしたとき、私はこの偉大な科学者が、私の迷いに、ヒントを与えてくれると予感した。若手科学者と二度目のガン手術の直後で年老いたファインマン先生との最後の交流。科学や人生の素晴らしさを静かな交流の中に見つめる、珠玉のノンフィクション。

目次

おとなりは、ファインマンさん―ガンと闘うノーベル賞受賞者
ファインマンとの出会い―イスラエルの小さな図書館にて
カルテクへの招待―僕はフリーエージェント
電子的なふるまい―バビロニア人タイプVSギリシャ人タイプ
知恵くらべ―「サルにできるなら、君にもできる」
科学の探偵―誰がシャーロック・ホームズになれるのか?
物理とストリップ―「強い力」から逃れろ!
想像の翼―ファインマンは、いつだってインコースを走る
世界を変えるひも―目には見えない六つの次元
空腹の方程式を解く―結婚披露宴には平服で〔ほか〕

著者等紹介

ムロディナウ,レナード[ムロディナウ,レナード][Mlodinow,Leonard]
カリフォルニア大学バークレー校にて博士号を取得。カリフォルニア工科大学(カルテク)の特別研究員、アレクサンダー・フォン・フンボルト財団招聘研究員として物理学を研究。その後、ハリウッドで脚本家として活躍、『新スタートレック:ザ・ネクスト・ジェネレーション』他のテレビシリーズを手がける。カリフォルニアのサウス・パサディナ在住

安平文子[ヤスヒラフミコ]
翻訳家。東京外国語大学ロシヤ語学科卒
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ehirano1

70
小川洋子『博士の本棚』から来ました。ある意味先生と生徒のシチュエーションではりますが、むしろノーベル賞ホルダーの大先輩と後輩、といった感じでした。物語りは終始静かで優しさに包まれていますが、その分、後輩の苦悩と葛藤が生々しく感じました。ファインマンさんの物語というよりは(彼の物語は他で沢山出版されています)、彼の同僚であった一学者の物語という構造はなかなか読めるモノではないので、本書は希少本ですらあるかもしれません。2023/08/23

ケン五

12
デカルトの虹の話に感銘。理屈ではない。著者がファインマンを敬愛しているので、読んでいる自分も途中からファインマンびいきになってしまうが、結局は、自分の足で立つしかないんだということを教わった気がする。2011/05/11

たらお

11
癌に侵され、死を前にしたファインマンとの交流を、同僚である若い物理学者の目線で書いたもの。テープから文章を起こしているところもあるので、ファインマンの生の声は貴重であろう。人生において大切なのは何か?富か名声かそれとも別の何かか?本当の答えを見つけるためには、自分自身をよく知らなければならないし、自分に正直でなければいけない。また、自分を受け入れる必要もある。価値観はそれぞれ違うし、追い求めるゴールも違うが、ファインマンのように自分の好きなことに情熱をもって取り組むことは、きっといいことなんだろう。2015/05/03

Yoshitomo Kurokawa

9
最初はつまらないと思ったけど、読み進めていくと中々^^ リチャード、マレー、レイの個性が際立っていて、面白いノンフィクションでした。打ち込むことに意義がある、という言葉が好き。2013/06/09

rukaq

8
病を抱えた偉大な物理学者と、悩みを抱える筆者の交流を書いた作品 この本は科学のみならず、人生に対する考え方を教えてくれる。 やりたいことをやるし、やりたくないことはやらない。言葉にすれば簡単に思える生き方を実際にできる人はほとんどいない。どうしても私たちは生活のことを考えてしまい、自由が失われる。 最もおそろしいのは、生活のことに囚われているのに、それに甘んじて生き続けてしまうことだ。 だから私も自分に問おうと思う。今やっていることは本当に面白くてやりたいことなのかと。2019/03/07

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