パタゴニア (改訂新版)

  • ポイントキャンペーン

パタゴニア (改訂新版)

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ A5判/ページ数 298p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784839700966
  • NDC分類 933
  • Cコード C0098

内容説明

地の果てパタゴニアは旧大陸のカルマを背負った漂泊者たちの見果てぬ夢の吹きだまり。著者は、幼少時に祖母の家で見た古生物の皮に誘われ、風吹きすさぶ大地パタゴニアへと赴いた。祖母のいとこチャーリーの消息を訪ねる旅は、はからずも権力夢想家、無法者、亡命者、アナーキスト、航海者など、エキセントリックな人物の物語をひもとく旅となった。才能を惜しまれながら夭折したブルース・チャトウィンの代表作。英国ホーソンデン賞受賞。E.M.フォスター米国芸術文学アカデミー賞受賞。ニューヨーク・タイムズ・ブックレビュー最優秀書籍。米国図書館連合ノウタブル・ブック選定図書。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

長谷川透

35
本書はひとまず、旅行記というバイアスを外して読んだ方がよさそうだ。ブロントサウルスの皮が幼いチャトウィンに与えたパタゴニアの憧憬は、実際にこの地を訪れた著者にずっと影のように張り付いている。太古の生物の影は彼の記憶とパタゴニアの史実を錯綜させ、パタゴニアを巡る著者の行脚は、そこで暮らす人々とこの土地に流れ着いた者たちを巡る来歴を綴る『パタゴニア』という本を生み出した。一見乱雑に並ぶ数々のエピソードも読み終えれば有機的な結合を果たしている。南米の地を訪れた者には、このような文章を書く力が宿るのかもしれない。2012/10/17

紫羊

31
旅の記録というより、地の果てパタゴニアに人生の鉱脈を求め力尽きた人々への鎮魂歌のような作品だった。刺激的で混沌とした南米文学を思わせる味わいに酔いしれた。会社を辞めたチャトウィンが突然パタゴニアに旅立った時、バックパックの中には「奥の細道」が忍ばせてあったと、あとがきで紹介されていた。これは再読必至。2018/04/23

misui

10
祖母のいとこが残した一片の動物の皮をきっかけに、チャトウィンは「世界の果て」パタゴニアを旅する。無数のエピソードで構成された旅行記で、移民、山師、ギャング、亡命者、インディオと、世界の果てに流れていった人々の生が抑えたトーンで語られる。あたかも皮から動物を再構築するように、それは寄り集ってパタゴニアの風景を形作る。2012/02/15

アヴォカド

7
再読。この人を読むといつも、「移動と定住」について考える。そして、人はどうして移動するのか、チャトウィンはどうして何を思って旅に出たのか、と考える。2018/02/09

aoneko

7
著者を見ていると風のように去ったり、赴いたり、その身軽さはやはり少し羨ましい。平行してペンギンが出てくる本を読んでいたのでペンギンがこん棒で殴られているのには怯んだけれど。メキシコの宝石のような街々、語り継がれる物語、恋に落ちたアザラシ、火の創造、ただ一か所の弱点をもつ巨人、春の訪れをつげる青いイソギンチャク。時の流れをほとんど意識することなく過ごす人々の一見繋がりのないエピソードは読み終えると「世界の最果て」というのが頷けるし、何より作者のフィルタを通した南米の魅力にため息がでた。 2013/05/08

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/449719
  • ご注意事項