出版社内容情報
"『リトル・トリー』のフォレスト・カーターが、伝説のアパッチ戦士の内なる真実に肉迫する。
白人に最後まで抵抗を続けた「戦いのシャーマン」ジェロニモ----その孤独な苦闘と愛と祈りを鮮烈に描き出す。奇抜な智略と戦術、苛烈な戦闘シーンなど、エンターテインメントの要素も盛り込まれた、『リトル・トリー』とはひと味違うスピリチュアル・ハードボイルド。ここでもカーターは、インディアンの土地・生命・文化が白人によって踏みにじられたことへの痛みと、迫害に立ち向かう彼らの気高い魂への共感を謳い上げている。"
内容説明
戦いの呪術師の苛烈なる生涯。ネイティヴアメリカン・ハードボイルド。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
34
アメリカにいたころ、プールに飛び込む子どもがジェロニモ、と叫んでいるのが不思議だった。アメリカンインディアンについて知れば知るほど、アメリカの移民対策にため息が出る。この本自体は良くできたエンタテインメントだと感じた。シートン動物記の「ロボ」を読んだ時のように。哀しい誇り高い種族の末路。「人ではないのだから」と言わんばかりの仕打ち。虐げられた人々すべての胸に、小さなジェロニモが住んでいる気がする。2019/10/02
入江
7
ジェロニモは、壮絶な戦死をされた方のイメージがありました。でも、こういうラストなのかぁ。ただ、ジェロニモに同情はしますが、書き手がエコ贔屓をしているようにも感じます。小説だからいいとは思うけれど、歴史的事実と心理描写のミスマッチに慣れませんでした。2017/01/16
MOTO
6
『文明』を戦う為の武器に利用してしまった白人と、自然を神と崇め、真摯に生きるジェロニモ率いるインディアンの争いを描いた作品。朝の光と夕の光では見え方が違う、と若者がジェロニモに問うシーンがある。「そうだ。朝の光は若者の光。どんな物もはっきりと見分けがつくような強い光だ。そして夕は老人の光。この世にあるものはぼやけて見え始める。老人にはかりそめの世のものは必要無くなるからだ。ただ、霊を鍛えていない人間は光を失うと迷ってしまう。」孔子は50にして迷わずって言ってたっけ。 正しく生きる人は皆同じ事を言うんだな。2019/07/15
yasuuu
2
再読。 先住民族の誠実さが身に沁みます。 共存とは、彼らがしていることであって他はどうなのかと考えさせられます。 静かに暮らしていた先住民族を思うと、つらい時代だったのだなと。2021/06/16
sekaisi
2
日本では明治維新の頃2019/09/13