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内容説明
その新たな発想は、すべてに通じる!「美酒の設計」、それは高橋藤一杜氏が醸す純米吟醸。酒造りの常識である「櫂入れ」をせず、微生物の自然の営みを辛抱強く見守り続ける。ものづくりの原点に迫る、渾身のノンフィクション。
目次
第1章 のぼり蔵での酒造り(酒造りという仕事;のぼり蔵の使い勝手 ほか)
第2章 杜氏になるまで(杜氏の里・山内村に生まれて;追いまわし ほか)
第3章 杜氏の腕前(酵母探し;「雪の茅舎」誕生 ほか)
第4章 米の実力(甑倒し;米作りからの酒造り ほか)
第5章 手渡していくもの(酒蔵という場所;後継者たち ほか)
著者等紹介
藤田千恵子[フジタチエコ]
1961年、群馬県生まれ。フリーライター。全国各地の蔵元巡りをライフワークにしている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mawaji
2
白衣姿の高橋杜氏は恰も科学者の佇まいですが、理論や数式に振り回されるのではなく自身の五感に基づき自分は生き物であるという感覚をもって米と水と微生物と「清潔」「勤勉」「謙虚」な態度で向き合う姿は自然に対する畏敬の念を感じさせます。敢えてオーガニックの認定を返上した蔵元の行動も消費者目線でむしろ目から鱗が落ちた感じ。「素肌の美しさを生み、保つために栄養をとる、充分な睡眠をとるなどの根本的な努力を積み重ねておいて、そのあとの化粧はしない」という「健康な美人のようなお酒」ってまさに最高のキャッチコピーのようです。2014/02/19
メルセ・ひすい
2
のぼり蔵での酒造り・・米は秋田こまち 齋彌酒造の宣伝 ××2009/12/16
H
1
大好きな「雪の茅舎」の杜氏さんの話。あれほど素晴らしい酒が生まれるのも納得。ぜひとも次代へつなげてもらいたい。益々飲みたくなった。2019/03/07
ドリアン・グレイ
1
酵母が自然にするがままに任せる思想に心打たれた。醸造がどのような流れで行われるかや杜氏の人生といった知らなかったことも書かれていた2015/10/22
日条左半次
1
雪の茅舎の美味しさ、クォリティの高さは以前から感じていたが、それを造る人のことは今まで全く知らずにいた。今回この本を通して、今現在のこの味に至るまでに、並々ならぬ努力と工夫があったことを、改めて知った。印象的なのは、基本的に酒造りは微生物の自然な営みに任せて、変に手を加えないこと、という一貫した姿勢だ。またその一方で、いくら伝統的に続いていることでも、ちょっとでも疑問に思ったことはすぐに改善していくという、柔軟性も持ち合わせている。杜氏の在り方は多種多様だが、ひとつのフォーマットがこれなのだと実感した。2014/11/08