内容説明
ある日の午後。二度寝を試みようとする僕の携帯電話に一通のメールが届く。差出人は不明。『ボールを集めて願いを叶えよう!』。件名からして胡散臭い。即刻削除すべき迷惑メールであったが、ふと開封してみたい気分に駆られた…。エッセイ集『去年ルノアールで』で“無気力文学の金字塔”を打ち立てた鬼才せきしろによる処女小説。それは、常に自問自答を繰り返す「僕」の「内なる冒険」を追求した異色の“箱庭青春小説”。なんとなくミステリー、ちょっとセンチメンタル、もしかすると冒険、だけど腹立たしいほど文学。いまだかつてこんな小説はなかった。
著者等紹介
せきしろ[セキシロ]
1970年北海道生まれ。文筆家。2006年、初のエッセイ集『去年ルノアールで』(マガジンハウス)を上梓(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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すぎの
4
たしかに未曾有の小説。主人公の大学生は迷惑メールをきっかけに、世界にちらばった七つの「願いを叶えるボール」を探すことにする、が、なんの冒険・戦い・人との出会いもなく(最低でも努力・勝利・友情の三つはほしいところだったにもかかわらず)、ボールは彼の手元につぎつぎとあつまることとなる。まるでジャンプのギャグ漫画だ。亀和田武さんが帯に「無駄と妄想もつきつめればこんなかっこいい文学に」と寄稿しているけれど、まさにこの本、すくなく見積もって八割は無駄と妄想だった。〈無気力文学の金字塔〉、せきしろさん、さいこうです。2012/11/16
しの
3
あっという間の読破。どうしてボールが次々手に入るのかとか、細かいことは気にしないでドンドン話が進んでいく感じ、いいですねぇ。読者を置き去りにする感じ、嫌いじゃないですww2013/06/30
きるる
3
【得たこと/印象に残ったこと】 妄想は実を結ぶ。2012/05/06
だんいん
2
不思議な小説でした。面白いだけじゃなくて、ただ面白いだけじゃないそれが何なのかがわからず、不思議でした。カレー食べて「スゲー美味しいんだけど、これ普通のカレーじゃないよね?何入ってんだろ?何だこれ?わかんないけど旨いなー、」みたいな。このカレーの例えは我ながら下手すぎますが、とにかく不思議で面白くて一気に読みきってしまいました。2018/12/22
きょん
2
いいなぁ〜。この意味の無さ、ノンストップ。2014/02/18