内容説明
奥深い森の中で生活を営む正体不明の3人の男たちに、「少年」と名づけられた13歳。キング、ヨゲンシャ、ブンセキ。謎めく彼らとの暮らしは少年にいつしか安らぎを与え、日々の小さな奇跡は少年の魂に希望を投げかけた―。
著者等紹介
辻仁成[ツジヒトナリ]
1959年東京生まれ。89年小説「ピアニシモ」で第十三回すばる文学賞、97年「海峡の光」で第百十六回芥川賞、99年「白仏」の仏翻訳語版「Le Bouddha blanc」で、仏フェミナ賞・外国小説賞を日本人として初めて受賞する。文学以外の分野でも幅広く活動し、監督・脚本・音楽を手がけた映画「千年旅人」「ほとけ」「フィラメント」でも注目を集める。現在は拠点をフランスに置き、創作活動を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ミーコ
38
過去に読んだ事が有るのですが、殆ど覚えていないので 再読してみた。 津波に命を奪われたイタルの両親‥‥ この前の震災を思い出して読みました。心を閉ざしていた少年が キングやブンセキ、ヨゲンシャと会い、共に生活していくうちに、成長して行く。もう孤独に苛まれる事は無いでしょう。少しメルヘンの様でした。2014/07/28
りらこ
22
北海道新聞の連載小説だったとのこと。それも2006年から1年間。ま 東日本大震災後のことを書いたのか?と思って読んでいたから驚いた。地震の津波によって両親を亡くし、声を失った少年イタル。北海道の伯母宅での生活。森で出逢う3人との生活。イタルが命をいただくことを通して再生していく物語。新聞小説だからかな、途中株の話が詳細に。わかるんだけど、わからない。再生のきっかけの1つでもあるからかな。2024/03/04
myc0
4
【ややネタバレ】初辻本。北海道新聞の連載小説。津波で両親を亡くしたイタルが森でキングら3人の男たちと暮らしながら心の傷を癒し、成長していく過程を描く。道民として、こんな風に北海道の自然風景を美しく書いてくれるのはとても嬉しい。森での生活や自然、株売買と異なる分野を同じ命ある存在の営みとして表現豊かにリンクさせた描写が見事。森の自給自足生活って少し憧れる(私のきっかけは、小学生で読んだ「だいそうげんの小さな家」シリーズかな)。大人も楽しめるけど、中高生にも読んで欲しい!北海道で気球に乗りたいね!2012/01/07
308
4
娘が思春期になった時、この本を読ませたいと思いました。娘の名前の由来しているものが、素晴らしいものだと記してあったので。そして、哀しく絶望の中にあるときも、守ってくれる人がいることを知って欲しくて。苦しい時に、キングのように穏やかに諭してあげられたら・・・と思いました。2009/09/16
runner0298
2
自然に破壊された人間が自然によって再生する辻さんらしい作品。伝えたいことが明確で決して悪くない作品。2016/04/04