内容説明
じわっと押しよせる幸福感が人生をかけがえのないものに変える…。人生最大のターニングポイントを迎えた著者の深い考察とさりげなくも力強いメッセージが満載。心にしみる新生ばななのエッセイ集。
目次
海の力
別れというもの
パトリスが示したもの
そのひとことが
旅に学ぶ
視力回復!
本当に好きってどういうこと
遺伝かも
男と女の間にはやっぱり
兆しというもの
高知のことなど
エスプレッソの秘密
日々に学ぶ
下町と平和
そしてまたエスプレッソのこと
ターニングポイント
気品と風格
身もふたもない
意外な幸せ
きれいな場所で
片思いのメカニズム
ごきげんよう!
著者等紹介
よしもとばなな[ヨシモトバナナ]
1964年東京都生まれ。日本大学芸術学部文芸科卒業。「キッチン」で87年に海燕新人文学賞、88年に泉鏡花文学賞を受賞。『TUGUMI』で山本周五郎賞(89年)、『アムリタ』で紫式部賞(95年)、『不倫と南米』でドゥマゴ文学賞(2000年)をそれぞれ受賞している
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひろちゃん
84
エッセイ。「自分が選んだ人と結婚出来ると思うな」「彼氏が出来ないと嘆いてる人はエネルギーを発散できてないだけだ」自分らしく、好きなことをやっていたいと思った。★★★★★2016/01/16
ほほほ
26
エッセイ。2000年から2年間、マガジンハウスのGINZAに連載されていたもの。時事的なことはあまり書かれてないし、ばななさんはいつでも時代の先を行ってるからそんな古く感じないです。小説よりもかなり気さくで、文章もさらさらさらっととても読みやすいのに、小説を読んだ後と同じようなエネルギーをもらえたのは不思議。ばななさんパワー。原マスミさんのイラストもぺージをめくるのが楽しみでした。GINZAを愛読されるような女性向けの内容ですが、中でも「片思いのメカニズム」。片思いで苦しんでいる方、ぜひ読んでみて下さい。2014/07/06
ヴェネツィア
26
本書は2000年11月から2年間「GINZA」に連載されていたエッセイ。この間のトピックスは、なんといってもばななさんの電撃結婚だろう。そして、連載終盤での妊娠。彼女にとっては、私生活の激変期だったわけだ。これを読んでいると、彼女の日常は明るく楽しいことばかりのようだが、その背後には「もの書きの孤独」が垣間見える。ばななさんの父、隆明氏(当時は御存命)にしてもそうだし、村上春樹(彼にだけ敬称をつけていないが、これは敬意を持っての事)も『遠い太鼓』で、やはり「創作者の孤独」を語っていた。2012/07/28
ume 改め saryo
21
ばななさんの小説があくまで、自身の内側から湧いてくる熱いものでできていることを実感できました。 借り物でもなく、創作でもなく、実体験をもとにしているから、伝わる温度が違うのでしょう。 ガラス工芸のように、真っ赤な塊に、 ” フゥー ” と息を吹き込んで、作品を作り上げる。 そんな気がしました。 ps.titleはどうかと思うだけれど(笑)(^^) 原さんの絵も素晴らしいですね!!2013/12/28
たっきー
10
文庫本で既読(トータル3度目)。原マスミさんのイラストは単行本で見る方が実感が良くて好き。ばななさんの結婚〜妊娠の激動期のエッセイ。「突然すごい設定のことが起こるのが人生だが、なんとかなるものだ」、「何をすることならがんばれて、何をしないでおくべきか、そんなふうに自分の人生をカスタマイズしてしぼりこんだ結果がちゃんと出る時期が老年なのだと思う」。2025/02/23